出版社内容情報
立ち止まっている人にだけ見える景色がある。概念とイメージの緊張関係を精緻に読み解き、ベルクソンを反時代的哲学として読み返す。
概念の解像度を上げるだけが哲学の仕事ではない。ベルクソンは、イメージとの往還と緊張関係を強調してやまない。本書は、最新の研究成果を踏まえつつ、『時間と自由』や『創造的進化』など主要著作の鍵概念である「持続」や「エラン・ヴィタル」を深く理解するには、「リズム」や「方向」のイメージの精確な読解が欠かせないと説く。勁草書房編集部ウェブサイトでの連載時より大幅改稿。
内容説明
立ち止まっている人にだけ見える景色がある。概念とイメージの緊張関係を精緻に読み解き、ベルクソンを反時代的哲学として読み返す。概念の解像度を上げるだけが哲学の仕事ではない。ベルクソンは、イメージとの往還と緊張関係を強調してやまない。本書は最新の研究成果を踏まえつつ、『試論』や『物質と記憶』など主要著作の鍵概念である「持続」や「純粋記憶」を深く理解するには、「リズム」や「場所」のイメージの精確な把握が欠かせないと説く。
目次
序論 言葉の暴力
第1部 測りえぬものを測る―『意識に直接与えられたものについての試論』における持続のリズム計測(rythmesure)(計測のリズムを刻む―『試論』第一章の読解;リズム数論(arythmologie)―『試論』第二章の読解 ほか)
第2部 場所なきものに場所を与える―『物質と記憶』における記憶の場所学(khorologie)(『アリストテレスの場所論』に場所を与える;知覚の位置―『物質と記憶』第一章・第四章の読解 ほか)
第3部 方向づけえぬものを方向づける―『創造的進化』における生の弾みの諸方向=器官学(organologie)(ベルクソンと目的論の問題―『創造的進化』第一章の読解;「生物の丹精=産業(industrie)」について、あるいはベルクソン的器官学―『創造的進化』第二章の読解 ほか)
第4部 呼びかけえぬものに呼びかける―『道徳と宗教の二源泉』における響存(´echo‐sistence)(声の射程―呼びかけと人格性;火の領分―情動と共同体 ほか)
結論 明日の前に
著者等紹介
藤田尚志[フジタヒサシ]
1973年生まれ。九州産業大学教授。Ph.D(哲学)。専門は哲学、フランス近現代思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。