出版社内容情報
因果関係について、ヒュームは本当は何を論じていたのか? 誤解や偏見を丁寧に解きほぐし、綿密なテクスト読解によって真実に迫る。ヒュームの因果論では、因果関係をめぐる意味論的考察、心理学的考察、認識論的考察の三つが複雑に交錯している。本書ではこの関係を整理して議論の構造を包括的に捉えることで、ヒュームが因果関係を理解するという人間の実践の相において因果関係を解明し、人間の自然本性に根差した科学的探究の論理を構築しようとしていたことを明らかにする。
序
第一章 合理性と帰納推論
1 帰納の問題と整合性問題
2 帰納推理と帰納推論
3 帰納推理と整合性問題
4 帰納推理の正当化
5 本章のまとめ
第二章 蓋然性と帰納推論
1 ヒュームによる蓋然性の種類の区別
2 蓋然性と確率
3 主観的ベイズ主義解釈
4 客観的ベイズ主義解釈
5 帰納推論の心理学的考察が意味するもの
6 帰納推論の正当化
7 本章のまとめ
第三章 因果性と意味理解
1 ニュー・ヒューム論争の発端
2 懐疑的実在論解釈
3 準実在論解釈
4 意味に関するヒュームの見解
5 準実在論解釈の再検討
6 本章のまとめ
第四章 必然性と精神の被決定性
1 問題設定
2 錯誤説解釈
3 表出説解釈
4 本章のまとめ
第五章 法則性と偶然的規則性
1 偶然的規則性の問題
2 ビーチャムとローゼンバーグの解釈
3 ギャレットの解釈
4 本章のまとめ
第六章 確実性と懐疑論
1 理性に関する懐疑論
2 探究に関する懐疑論
3 探究の「論理」と感情の「論理」
4 本章のまとめ
結 語
注
あとがき
参考文献
事項索引
人名索引
萬屋 博喜[ヨロズヤ ヒロユキ]
著・文・その他
内容説明
ヒュームの因果論は、正しく評価されてきただろうか?誤解や偏見を丁寧に解きほぐし、意味論的考察、心理学的考察、認識論的考察が複雑に交錯する議論の構造を包括的に捉えることで、綿密なテクスト読解によってその実像に迫る。
目次
序
第1章 合理性と帰納推論
第2章 蓋然性と帰納推論
第3章 因果性と意味理解
第4章 必然性と精神の被決定性
第5章 法則性と偶然的規則性
第6章 確実性と懐疑論
結語
著者等紹介
萬屋博喜[ヨロズヤヒロユキ]
1983年山口県生まれ、広島県育ち。2012年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。広島工業大学環境学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。