出版社内容情報
倫理学の基礎理論、規範倫理学、メタ倫理学、政治哲学を体系的に学べる初めての倫理学入門書がいよいよ誕生! 定評のある『入門・医療倫理』シリーズから、英米系の倫理学理論をわかりやすくコンパクトに概説したものとして評価の高い各章を収録。哲学・倫理学を専門としない学生も含め、倫理学を初めて学ぶ人のための最良のテキスト。
内容説明
倫理学の基礎理論から規範倫理学、メタ倫理学、政治哲学までを体系的に学べる初めての倫理学入門書がついに誕生!『入門・医療倫理』1~3巻から、英米系の倫理学理論をわかりやすくコンパクトに概説したものとして評価の高い各章を収録。倫理学を初めて学ぶ人のための最良のテキスト。
目次
1 倫理学の基礎(倫理学の基礎;倫理理論;権利論;法と道徳)
2 規範倫理学(功利主義;義務論;徳倫理学)
3 メタ倫理学(実在論・認知主義;反実在論・非認知主義;メタ倫理学の現在)
4 政治哲学(現代リベラリズムの諸理論;現代リベラリズムの対抗理論)
著者等紹介
赤林朗[アカバヤシアキラ]
東京大学大学院医学系研究科教授。1958年生。1990年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了
児玉聡[コダマサトシ]
京都大学大学院文学研究科准教授。1974年生。2002年京都大学大学院文学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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neputa
9
現代倫理学を体系的に網羅した論文集のような入門書。自分なりの軸となる価値観を求め開いてみた倫理学の扉の向こうは、「結果の正しさがすべて」いや「動機の善性が重要」いや「そもそもの人格やろ」と各論がぶつかり合うバチバチの世界。とはいえ各論の歴史的経緯を含めた形成過程が丁寧に解説されているのでその理由がよく理解できる親切本。更に背景となる哲学や歴史を調べながら読むとより理解が進む。「普遍」に囚われるの良くない。倫理学で言うところの「善」も「正しさ」も「徳」も変わりゆくもの、それが一番の学びだった。2023/03/31
YT
4
便覧のように使う予定で購入したが、わかりやすさと面白さで通読してしまった。笑 基礎・規範倫理学・メタ倫理学・政治哲学の大きく分けて四つに区切られて英米の倫理学の要点が抑えられて説明されておりざっくり外観をつかむにはもってこいな構成になっている。 前半で規範的な倫理学の考え方を整理して、政治哲学のパートでは リベラリズムの批判として補完し合うような形で共和主義やフェミニズム、ケアの倫理も記述されていて勉強になった。 これからもお世話になると思う一冊です。2023/01/27
Bevel
4
個人的にポイントが高いのは、倫理と権利、倫理と法について関係について書いてる点(特に法との関係について厚い)。一度社会に出たことがある人に、倫理の話をするとき、まっさきに出てくるのが、法律に従ったらよくない?とか、基本的人権を守るのが倫理じゃない?みたいな話だったりするので。あと、マクダウェルとかヌスバウムあたりにうまくたどり着けそうな気になる点もよかった。2021/12/12
すずき
4
英米系の倫理学の論点が綺麗に整理されているとてもよい入門書だと思う。規範倫理学については功利主義、義務論、徳倫理の各論をそれぞれ善の理論、正の理論、善と正の関係というポイントで整理しているのが特によい。メタ倫理になると流石にそこまで単純な整理を提供できないが、それでも道徳の規範性、客観性、動機付けのヒューム主義の3つを全て整合的に説明するのが困難というトリレンマの解消をメタ倫理の根本問題と位置づけ、整理している。政治哲学など周辺分野に関わる人もぜひ読むべき一冊だろう。2019/03/30
Ryo
3
現代社会のよく議論されている問題をより理解するために、倫理を学んでおくことはとても役に立つと思いました。2019/10/24