内容説明
猫オルガン、猫オペラ、猫シンフォニー…。ナニソレ?カワイイ!でも、ヤッパリちょっとコワいかも。西洋の想像力は猫を貶め、けれど猫に惹かれた。その声をノイズと嗤い、けれど野生の響きに仄かに憧れた。人と獣の音楽、西洋と東洋の音楽、音楽と音楽ならざるもの。協和と不協和のあわいに音楽=世界の核心を照らし出す、比類なき博覧強記が舞い奏でたミラクル文化史。
目次
藁屑栄誦
おどけた優雅
シャリヴァリ
猫のコンサート
不協和な協和
著者等紹介
レーベンシュテイン,ジャン=クロード[レーベンシュテイン,ジャンクロード] [Lebensztejn,Jean‐Claude]
1942年生、美術史家。主としてパリ第1大学で教鞭を執ったほか、海外での研究・教育の経験も豊富である。ルネサンスから近代、現代美術に至る多様な画家を、また文学や映画、音楽など、ほぼあらゆる芸術ジャンルを論じて、これまでに20冊近い著作がある
森元庸介[モリモトヨウスケ]
1976年生。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。パリ西大学博士(哲学)。東京外国語大学等非常勤講師。思想史、フランス地域文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まこ
6
西洋での、猫の奏でる音楽=鳴き声に対する認識は不協和音から良いものへ変わっていく。それを主題にした物語とも、音楽から始まる西洋と東洋の違いを示した論文ともいえる不思議な作品(?)。昔の西洋ではペストの原因扱いされたり、悪い魔女の使い魔扱いされたりした影響もあるのかな。紹介される絵も不気味なものからだんだんと可愛いものになってる。2019/01/13
sou
1
「猫」という異文化を音楽や美術でどう扱ってきたかという斬新な切り口のの本。掴みにくい文章に知らない曲や絵ばかり。西洋音楽vsそれ以外の音楽、のような比較文化論の一種としても読める興味深い内容でした。しかし猫オルガンはひどい…。2018/12/24
kushuka
1
佐々木中氏の書評を読んで購入。なんて意味不明な本なんだろう。もちろん最大限の賛辞の意味で。2014/09/16
qoop
1
本書で紹介される〈猫が楽器を弾く/猫が音楽を聴く〉というメタファーを通して、協和(/音楽)と不協和(/猫の鳴き声)の対立と云う根本的な図式を改めて問い直す。そもそも協和と不協和との差異は何か。何をもって協和とし、不協和と区別できるのかが、文化的対立、時代的変遷を参照しつつ展開される。分量的に試論の域を出ないが、新規な音楽の受容史としても興味深い。2014/06/20
橘
0
自己の文化と他者の文化の違いを、音楽という面から捉えた異色作。博物学的な面白さもあり。2014/08/24