内容説明
人間の記憶とコンピュータの記憶―その相違と類似とは?世界で注目される気鋭の記号論学者による、パース理論の新たなる展開。
目次
見捨てられた考えについての理論的枠組み―何が見捨てられ何が発展したか
カテゴリー・基底・沈黙効果
無限の記号過程と異言語―パースとバフチン
生きている精神と退行した精神
氷山と結晶した精神
パース哲学における主観性の不在
はかり知れない過去
静かなディスコース―パースの「意識」概念における表象の諸相
一人で踊るタンゴ
意味はいかにして可能か
イヴァン・サライリエフ―ブルガリア・プラグマティズムの草分け
著者等紹介
ムラデノフ,イヴァン[ムラデノフ,イヴァン][Mladenov,Ivan]
1953年、ブルガリアの首都ソフィアに生まれる。現在、ブルガリア科学アカデミーの教授(学術博士、科学博士)。専門領域はパース哲学を中心に、記号論・心理学・文学理論・科学哲学
有馬道子[アリマミチコ]
1941年生。大阪市立大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、京都女子大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
3
脳と人工知能は連続過程で作動する共通性がある。一方自然と繋がる肉体を持つ生きた人間と比べれば、人工知能は意味を感じず(感情)、経験もしない。前者は記憶に感情を蓄積し、後者は象徴記号の演算でそう振る舞う。記憶の質も、前者はキーを叩くことが目的ではなくその背後の「精神」(mind)のさらに背後の・・・と退行するが、後者は人工的環境でキーを叩けばデータの呼び戻しが終わる。本書は潜在性を含む「退行した精神」から生じる思考の胚芽としてメタファーを捉え、他者に出会い、無意識、遺伝の二つの記憶にパース哲学から接近する。2017/08/30
wanted-wombat
0
パースを軽視していた自分を恥じる。2013/01/09
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- 和書
- 英語で楽しむ赤毛のアン