自由の倫理学―リバタリアニズムの理論体系

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  • サイズ A5判/ページ数 332,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326101450
  • NDC分類 309.1
  • Cコード C3010

出版社内容情報

リバタリアニズムの現代の古典。ハイエクとともに、計画経済を批判しつづけたミーゼスの弟子として、自然権たる所有権から出発する体系的な政治哲学を展開する。自由の源泉となる私的財産権を力強く擁護し、その立場から犯罪と刑罰、子どもの権利、自衛と安全、正しい契約、動物の権利などを具体的かつ詳細に論じた上で、可能な国家および国際関係を説く。リバタリアニズムは、必ずしも市場原理主義のことではない。本書に貫かれている、何よりも国家権力の制限を求める、という主張なのだ。本書とも近い、オーストリア経済学の本に『自由市場の道徳性』(小社刊、1994年)、『時間と無知の経済学』(小社刊、1999年)がある。


第一部 序論:自然法
1 自然法と理性
2 「科学」としての自然法
3 自然法対実定法
4 自然法と自然権
5 政治哲学の任務

第二部 自由の理論
6 クルーソー社会哲学
7 個人間関係──随意的交換
8 個人間関係──所有権と侵害
9 財産と犯罪
10 土地侵奪の問題
11 過去と現在の土地独占
12 自己防衛
13 刑罰と比例性
14 子供と権利
15 財産権としての「人権」
16 真理と虚偽の知識
17 賄賂
18 ボイコット
19 財産権と契約理論
20 救命ボート状況
21 動物の権利

第三部 国家対自由
22 国家の本性
23 国家の内的矛盾
24 国家に対する関係の道徳的身分
25 国家間の関係について

第四部 現代の代替的自由論
26 功利主義的自由市場経済学
27 アイザイア・バーリンの消極的自由論について
28 F・A・ハイエクと強制の概念
29 ロバート・ノージックと国家の無原罪の宿り

第五部 自由への戦略の理論
30 自由への戦略の理論

訳者あとがき
文献

人名索引/事項索引  

内容説明

子供の権利、刑罰制度、契約法から国家の正当性まで―リバタリアニズムの理論を体系化する。『アナーキー・国家・ユートピア』と並ぶ“自由の政治哲学”の現代の古典。

目次

第1部 序論:自然法(自然法と理性;「科学」としての自然法 ほか)
第2部 自由の理論(クルーソー社会哲学;個人間関係―随意的交換 ほか)
第3部 国家対自由(国家の本性;国家の内的矛盾 ほか)
第4部 現代の代替的自由論(功利主義的自由市場経済学;アイザイア・バーリンの消極的自由論について ほか)
第5部 自由への戦略の理論

著者等紹介

ロスバード,マリー[ロスバード,マリー][Rothbard,Murray Newton]
1926年ニューヨーク生まれ。コロンビア大学にて博士号を取得。当時ニューヨーク大学でセミナーを開いていた、オーストリア学派の経済学者ルードウィヒ・フォン・ミーゼスから大きな影響を受ける。ブルックリン工科大学やネヴァダ大学で教鞭を取る一方で、ケイトー研究所、リバタリアン党、ミーゼス研究所(オーバーン大学)などで、オーストリア経済学とリバタリアニズムの普及につとめ、ミーゼスの継承者として個人的自由の理論を一貫して追求しつづけた。1995年没

森村進[モリムラススム]
一橋大学大学院法学研究科教授

森村たまき[モリムラタマキ]
中央大学比較法研究所嘱託研究員

鳥沢円[トリサワマドカ]
広島市立大学国際学部専任講師
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

liverpool0810

3
著者は自然権的リバタリアンでアナルコ・キャピタリスト。とにかく過激である。親は子どもを扶養する義務はない!名誉毀損という犯罪は存在しない!脅迫は犯罪だがゆすりは正当な経済活動だ!…等々。一見完全に無視できそうな議論、のはずだが、たしかに自己所有権テーゼという「公理」を受け入れれば論理的に反駁するのは難しく、倫理に関してこれほど一貫性を持った強度のある議論を展開している主張はなかなかお目にかかれない(というか初めて)。ただ、そもそもの自己所有権テーゼ、つまり自然権を絶対的で自然な権利とする前提に説得力が…。2010/12/02

おちこち

1
リバタリアニズム(自由至上主義)の中でもアナルコ・キャピタリズム(無政府資本主義)という立場を自然権によって正当化できることを主張する。他のリバタリアニズムの本であまり見られない子供の権利や刑罰の程度問題が論じられており、恐喝や虚偽の名誉毀損を違法ではないとするという反直観的と言える主張も見られる。また、国家は自由を侵害すると言って激烈な批判を繰り広げるのも面白い。後半は他の自由思想家(特にノージック)に対する批判であり、最後にはリバタリアニズム的社会をどのように実際に達成するのかを論じている。2014/06/08

Tatsuya Iwakura

1
自然権に基づいた所有権により、国家は不要とまで言い切る。論理が明解でリバタリアン(自由至上主義者)必読の書籍だ。

うえむら@教採

0
涙もろいせいか、読んでいて泣いてしまった2014/12/14

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