出版社内容情報
ビルマという上座仏教社会におけるウェイザー信仰について総合的に論じる。ウェイザーとは、錬金術・呪術・マントラなどの術の修得によって超自然的力(空を飛ぶ、海の中を歩く、傷を受けない、など)をもち、究極的には不死身の身体を獲得した存在である。ウェイザー信仰とは、ウェイザーを信じて帰依する、またはウェイザーになろうとする信仰をさす。本書は、信者たちの調査をもとに信仰のあり方、世界観を明らかにし、ウェイザー信仰にかかわる人々と社会の関係、さらに信仰の歴史を丹念に追跡するものである。
内容説明
本書は、ビルマという上座仏教社会におけるウェイザーweikza信仰について論じるものである。ウェイザーとは、錬金術、呪符、マントラ、偈文などの術の修得によって、超自然的能力(空が飛べる、海の中を自由に行き来できる、食物なしで活動できる、傷を受けないなど)を得て、究極的には不死身の身体を獲得した存在である。信者・集団の調査をもとにウェイザー信仰のあり方と世界観を解明し、近代化のなかで権力や仏教とどうかかわってきたかを歴史的に深っている。
目次
序章 ウェイザー信仰の研究と方法
第1章 ウェイザーとその信者たち
第2章 信者の組織と活動
第3章 パゴダ建立儀礼に現れるウェイザー信仰
第4章 ローキー・ピンニャーとウェイザー信仰
第5章 仏教とウェイザー信仰
第6章 信仰の「歴史」と権力
終章 宗教政策とウェイザー信仰の現在