目次
第1章 勇者たち
第2章 「奇跡のイレブン」それぞれの3・11(防災一筋42年―危機管理課佐藤智氏の3・11;今でも溺れる夢を見る―町長佐藤仁氏の3・11;「チクショー、みんないねぐねっちまった」―副町長遠藤健治氏の3・11 ほか)
第3章 敵は「被害想定」にあり(地震被害想定とは;地震調査研究推進本部;宮城県の被害想定 ほか)
第4章 防災庁舎の「無言の教訓」(合併後遺症;愛憎を背負う防災庁舎;美談で終わらせてはならない ほか)
著者等紹介
山村武彦[ヤマムラタケヒコ]
1964年新潟地震のボランティア活動を契機に、防災アドバイザーを志す。世界中の現地調査は250か所以上、その教訓を伝える防災講演は2000回を超える。自治体や企業の防災アドバイザーを務めるなど実践的防災・危機管理対策の第一人者。現在、防災システム研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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もちお
4
表紙に写っている方はほぼ全員が亡くなられて、この内側にいた方1人と建物の上に乗っている方だけが助かったようです。南三陸の文字を背中に背負った男性職員が大きく手を広げてみんなを守ろうとしていて…。生き残った方のインタビューを読むだけで涙でなかなか進めませんでした。まるでそれ以上に被害はないかのような被害想定、誤差があることをなぜもっと周知しなかったのか。なぜもっと広い範囲の被害想定を定めてくれなかったのか…。巻末の10箇条は大変ためになります。失ったら取り返せないもの、命と時間を最優先に避難しましょう。2021/04/11
K
0
聞き書きの部分などは読んでいるだけでも生きた心地がしないです。思い出すのも大変なことでしょうが、辛い経験をシェアして下さる方々に頭が下がります。いつも通勤途中に本を読むのですが、カバーもカバーだし、ひょっとしたら電車には当事者やその家族の人が乗っているかもと思うと、この本は外では読めませんでした。2017/10/22
卓ちゃん
0
役場の防災庁舎にいて奇跡的に助かった11人のうちの10人へのインタビュー記事は、それぞれ津波が襲った時の緊迫した様子が描かれており、涙なくして読めない。昔から幾度となく津波の被害を受け続けているのに、時間が経つと人はまた、津波が襲うところで普通に生活を続けてしまう。海に近い我が家もなかなか引越しできないが、津波が来てから逃げるのではなく、津波が来ないようなところで生活しなければ「これからもずっと悲劇を繰り返すことになる」。防災庁舎は、「二度と同じ過ちを繰り返さないための誓い」として防災遺構とされるのか。2021/03/11