目次
特権集団について
個人の変化と発達について
抵抗を理解する
抵抗への対処法
特権集団にとっての抑圧の代償
特権や抑圧について学び直す喜び
どんな理由があれば、特権集団は社会的公正を支持するのか
社会的公正活動に人々を巻き込むために
アライ(味方)と行動
教育者の課題
著者等紹介
出口真紀子[デグチマキコ]
上智大学外国語学部英語学科准教授。ボストンカレッジ心理学研究科博士課程修了。博士(学術)
田辺希久子[タナベキクコ]
神戸女学院大学教授。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匙
18
マジョリティ・特権集団の心性、アイデンティティに関する認知の発達段階について整理させれていて納得できることが多かった。社会の問題に心ない言葉を身近な人がぶつけるたび動揺していたのが、少し改善されたと思う。社会的公正の教育はむずかしいなというのも思った。教育者に求められる努力はすごい。非常に励まされた。2022/08/09
もてぃ
11
社会構造・制度に存在する特権と抑圧について自分の認識を省みるという面でも今後どう行動・対処していくかという面でも非常に学びの多い一冊だった。 人は複数のアイデンティティを持っているが(交差性/インターセクショナリティ)、自分が受けた抑圧は強く印象に残る一方特権は気づきづらい。誰かに指摘されるまで特権を意識できなかったり、気づいたとしても自身の努力や能力がその特権の土台の上にあるということを認められず(自己認識が崩壊すると感じて)防衛的になってしまったりするという。2021/02/16
kokoko
6
例としてフェミニストが差別に異議を申し立てると男性(特権階級)から「差別などない」「我々こそ差別されている」といった"抵抗"が起きる事があるが、本書では論文を引き、発達/心理モデルを示してこれらの機序を説明している。これがtwitterで日常となっている光景を良く説明している様に感じ、個人的にとても衝撃的だった。本書は教育者に学習者を社会的公正実現の援助者へ導くよう促す。この事に希望を感じた。諸知識は自身の理解にも役立った。東洋思想も引かれ柔軟に連結されている事も驚きだった。生涯ベスト級の本。2019/12/26
G
4
めちゃめちゃ重要なことが書いてある本。特権集団でいるときはもちろん、マイノリティでいるときにも重要な視点ばかりなので、留学前に読めてよかった。2022/07/06
kuro
4
マイノリティについて教育を受けるということに焦点をあてるのではなく、もっとマジョリティがマジョリティ自体のことも知っていかなきゃいけないよね、という提案になるほどと考えさせられた一冊でした。2022/01/05
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