内容説明
カトリック教会はイエスへの信仰を二千年間継承してきた共同体であり、現在も国際社会に大きな影響力を持つ。歴史の中で福音に忠実な時もあれば人間的弱さに流された時もある。本書は、教会がみずからの使命を問い直してきた歴史と共に、現代抱える課題や挑戦にも切り込んだカトリック教会論である。
目次
第1章 教会論の対象、課題、方法
第2章 イエスと教会―イエスから新約聖書時代まで
第3章 教会の確立―教父時代まで
第4章 キリスト教世界の形成―権力、闘争、改革
第5章 宗教改革から第一バチカン公会議へ―改革、理性、革命、保守
第6章 第二バチカン公会議―適応、刷新、対話、混乱
第7章 教会の一致
第8章 教会の奉仕職
第9章 教会と文化
第10章 教会と社会
著者等紹介
増田祐志[マスダマサシ]
上智大学神学部教授。専門、教養学(キリスト論、教会論、緒宗教の神学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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paumi
1
本書はカトリック教会の組織論を述べています。キリスト教成立あたりから始まり、これまでの教会の在り方と歴史、現在の教会、そして未来の教会の在り方と良いところも悪いところも正直に述べられています。個人的には第二バチカン公会議以降の教会とそれ以前の教会はかなり大きく違うと感じました。それは非常に開かれた視野を持った教会となり、これからの多様性を持った世界に適応、そして先導するように動いていくであろうと思われます。とはいっても問題はまだまだ山積みですが、前向きに歩んでいこうという教会論の明るさを感じさせました。2022/05/30