内容説明
現在、ロシアや東欧諸国で使われているロシア文字、「キリール文字」誕生までの壮大なストーリー。キリール文字の創始者キリール、メフォージイ兄弟。その波乱にみちた生涯を激動のヨーロッパ史の中に紡ぐ。
目次
テッサロニキ
時代
コンスタンティノープル
アラブ
ハザール
モラヴィア
文字
ローマ
幽閉
再び、モラヴィア
弟子たち
滅亡
再び、文字
遺産
著者等紹介
原求作[ハラキュウサク]
上智大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
5
古代から言語はそれぞれの土着のものが使われていたが、文字をもたないものが多かった。それが宗教の伝搬によって、文字が必要となっていった。ロシアと東欧で使用されるスラブ語だが、ローマカトリックではなくギリシャ正教が伝わることで、ギリシャ語の文字に近いキリール文字が開発された。この本が有益なのは単なる言語学でもなく。歴史および地理など広範な知識が得られること。神学者の兄弟キュリロスとメトディオスよって開発されたキリール文字は正教を伝えるための手段でもあった。キリール、グラゴール、ラテンの各文字の比較が興味深い。2024/02/10
りんず
1
面白かったです
kkanamura
1
キリル文字についての本を読みたくて購入したが,ほとんどキリル文字の礎を築いたコンスタンティノスの伝記であった.東西キリスト教会やバルカンの国家の勢力争いに翻弄されながら,真摯に学問と伝導に向き合った兄弟の物語は面白く,キリスト教についての素養が無くとも楽しめる.筆者も指摘しているところであるが,コンスタンティノス一代記に記されている彼の無双加減はあまりに荒唐無稽で読みながら笑ってしまった.一方キリル文字そのものについては最終章に簡素にまとめられているのみであり,それを期待すると肩透かしを食らうことになる.2019/02/19
にせねこ
1
スラブ系言語を記述するキリル文字の元を作ったキリール・メフォージィ兄弟の足跡をたどった本。東西の教会および国家による勢力争いの歴史が述べられ、それらに翻弄された兄弟が描かれている。キリール文字がどのように作られたかはわかっていないことも多いからかあまり詳しく書かれていないので、どちらかというとキリール・メフォージィ兄弟の伝記といった形に近いと思う。2015/02/17
なにがし
0
ロシア語の文字の中にはアルファベットの鏡文字があったり、似た文字でも読みが全然違うのでややこしい。一体なぜ?というところからキリル文字の歴史が知りたくなってこの本を読んだ。 文字の話はサブテーマで、(キリスト教伝道に関する)人物や国々の情勢などが説明の大部分を占める。世界史のワードに疎い自分にとっては読み進めるのが結構つらかった。 文字については最後のほうに紹介されているが、ネットで検索して出てくる内容がほとんどだったように思える(もちろん出典不明のネット情報ではなく、書物で確認できたのは良かったが)2020/09/26
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