感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
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仕方がない、という諦めを子供の頃から抱いてしまう(23頁)。 希望学が玄田有史教授らによって提起されているが、 生活保護の子供にとっての希望とは、学べる自由、 働く場を選べる自由とかではないか? 貧困の世襲化は、学歴の世襲化でもあり、 不可逆的な格差固定をもたらす。 構造的な問題。 社会的な居場所とは、社会とのつながりの中で、 人々が、自分が受けられ、自分であることが尊重 されると感じることのできる場所(35頁)。 埼玉県のアスポートという取り組みは、他の自治体で やっていないのなら、ましなのだろう。 2014/04/05
カワウソさん
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「生活保護=税金で生きている人たち」と短絡的に見ると問題の本質を見誤る。生活保護はあくまでも自立支援の一環だ。それは他の社会保障システムと何ら変わりはしない。そんな生活保護受給者に対して、埼玉県が取り組んでいる「教育・就職・住居」の支援、「アスポート」が紹介されている。画一的なサポートではなく、一人の人生、一家族の生活に寄り添ったサポート体制を県が率先して行っているということ、そしてこの取り組みに積極的に参加する福祉法人、ボランティアの方など、今後の生活保護福祉におけるメソッドがたくさん詰まっている。2018/08/20