内容説明
ヨーロッパにおける不信と、アジアにおける期待―。両地域共同体の現状を様々な角度から比較・分析する。
目次
第1部 地域統合の理論、比較、歴史(長いタイムスパンで地域秩序と世界秩序を、いかに適切に比較するか;西欧的国際政治システムへ回帰するアジア―受容、抵抗、そして衝突の軌跡 ほか)
第2部 ヨーロッパ統合の現在(拡大欧州連合(EU)と強大なヨーロッパの展望
欧州議会によるEU域外地域との対話の試み ほか)
第3部 引照基準としてのヨーロッパ統合(東アジア統合のモデルとしてのEUの可能性;地域統合とそのパラドックス:アフリカの教訓 ほか)
第4部 東アジアにおける国際関係と地域統合(戦後日本の地域秩序構想;「リージョナリズム」の外向性と内向性―ヨーロッパとアジア ほか)
第5部 地域統合の新しい課題(欧亜比較政治文化論;東アジア共同体形成のための東アジア・東南アジアの社会的アクターの役割 ほか)
著者等紹介
中村雅治[ナカムラマサハル]
上智大学名誉教授(フランス政治、EU研究)。パリ政治学院、グルノーブル政治学院などで客員教授を務める
シュメイユ,イーヴ[シュメイユ,イーヴ][Schemeil,Yves]
グルノーブル政治学院教授(政治学、国際関係論)。サン・ジョゼフ大学(ベイルート)、ジュネーブ大学、早稲田大学、上智大学などで客員教授を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taming_sfc
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中村雅治・イーヴ=シュメイユ先生編著の2012年の著作。副題に理論、歴史、展望、とあるように、東アジア共同体をEUとの比較でとらえつつ、その独自性を理論的・歴史的に浮き彫りにしている。第一部は地域統合の理論・比較・歴史、第二部は記憶の共同体と地域安全保障ーアジアとヨーロッパについてー、第三部は引照基準としてのヨーロッパ統合、第四部は東アジアにおける国際関係と地域統合、第五部は地域統合の新しい課題、となっている。国際関係論を中心に学習・研究している者が東アジア共同体に関心を持った際に読むべき好論集である。2014/02/04