内容説明
この書物は雑誌『時の法令』に連載し続けてきている判例紹介をまとめたものである。現在も、なお連載は続いているので、書物にするにしてもどこかで区切りをつける必要があるわけで、その区切りを昭和58年の末までに掲載された分ということにした。それでも、掲載件数は800件以上に上るし、対象となる法令の範囲も、公法・私法各分野に及んでいるので憲法編、行政法編、民事法編、刑事法編、労働法編に分類し、各分類をそれぞれ適当な厚さに分冊することとした。本書は、その中の憲法編である。
目次
起訴されない犯罪事実で被告人の公判外の自白以外に証拠のないものを量刑の資料とすることは違憲
富士山八合目以上は原則として浅間神社に譲与すべきである
信教の自由の意味について―特定の住居で布教しないという約束は憲法第20条に違反しない
デモ行進に対し公安委員会のつけた条件を是認した判決
旅館の宿泊客者名簿について虚偽の氏名、職業などを告げた者を処罰する旨を定めた旅館業法は憲法第22条、第38条に違反しない
経歴詐称だけでは従業員の罷免理由にならない―三菱樹脂事件第一審判決〔ほか〕