出版社内容情報
恐怖の顔カベを笑う少女の正体は…。屋敷に秘められた謎に挑む天文クラブの少年少女。満天の星空の下、明かされた驚きの真実とは!?
内容説明
優乃のクラスに転入してきた玲子は、だれともしゃべらない。同級生は幽霊にたとえて、ユレコと呼んでいた。天文クラブの優乃、あかり、翔太、克樹は、学校の屋上へ行こうとして、玲子に出会う。屋上の出入り口は、恐怖の顔カベと呼ばれる怪談スポット。優乃が玲子にそのことを教えても、玲子は笑うだけ。その晩、優乃は、ばちあたり屋敷のベランダで、玲子らしき少女が望遠鏡をのぞいている姿を見た…。怪談スポット「恐怖の顔カベ」で笑う少女の正体は…!?屋敷に秘められた謎に挑む天文クラブの少年少女たち。満天の星空の下、やがて明かされた驚きの真実とは…。3・4年生から。
著者等紹介
藤重ヒカル[フジシゲヒカル]
1965年、千葉県生まれ。武蔵野美術大学卒業。建築インテリアの仕事に従事するかたわら、飯野和好氏に師事。絵本・童話をかきはじめる。2016年、『日小見(ひおみ)不思議草紙』(偕成社)でデビュー。2017年、同作品で日本児童文学者協会新人賞を受賞
宮尾和孝[ミヤオカズタカ]
1978年、東京都生まれ。イラストレーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
57
読書画コンクール課題図書。児童書ではなかなか出会えないストーリー展開だと思う。謎めいたクラスメートの玲子をめぐって、天文クラブの四人が少しずつ友だちになっていくのだが、その一方、玲子の視点からの話が何度も挟みこまれる。これが珍しい。ヒントがたくさんあるので、薄々は玲子のことをわかってしまうのだが、まさかこんな驚くべき展開が隠れているとは思わなかった! そう言えば、あの古典的名作もこんなテイストに出会える作品だった。児童書に限らず、驚きだけでなく、よかったという安心感を与えてくれる作品は、やっぱり心に残る。2023/01/04
まげりん
5
初めから気になる感じで始まって、なんだ?何の秘密がるんだ?と読み進めたら「そういうことかー!!」と腑に落ちた。楽しい読後だった。ネタとしては古いかもだけど、今の子には一周回っていいかも。タイムスリップに、誰かの過去を変えるとか、何かを止めるみたいなでかいことを求めてないのもいい。2022/09/30
頼ちゃん
5
最初から不思議な雰囲気。なんだろうと思わせる。でも謎解きだけではない、友情のお話。「知っているつもりでもうまく説明できないのは知らないのと同じ。知らないということははずかしいことではない」長いけど読みやすい。2022/09/23
オカピノコ
2
時空を超えた、なかなか素敵なお話だった。今の時代が昔よりも良くなっている、という観点が新鮮だった。確かにひとり一人の努力により、よい良い未来は作られる、と感じられる本だった。内気な優乃の成長する姿がいい。2022/11/30
だいてんしのいぶき
2
1ページ目からなんだか気になる不思議な雰囲気…怪しいおばあさんの一言に「何、何?ホラーなの?どういうこと?」と一気に読めました。優乃やあかりたちのクラスに来た幽霊みたいな玲子。ユレコなんて呼ばれています。自分も似たタイプの優乃が勇気を出して声をかけるのもいいし、しっかり者のあかりもいい!でも普通の友情ものかと思ったら…タイムトラベル系で面白かった!元の世界に戻るときが案外あっさり戻ったのと、男子二人の良さがあまり伝わらなかったのが残念。登場人物も話も好きな感じだったのでもっと長編で読みたかったかも(^^)2022/09/26