内容説明
母の実家ではじめてチェリーシュリンプを見た。水草がいっぱいの水槽に、わたしの爪くらいの大きさの真っ赤なエビたちがいた。飛ぶように泳ぐのがかわいかった。小さくて、かよわそうだけれど、たくましい生命体。わたしと似ている。韓国の10代女子の日常、心情を鮮やかに描きだす!すべての10代へのエール。
著者等紹介
ファンヨンミ[ファンヨンミ]
韓国・慶尚北道の聞慶で生まれる。大学で教育学、大学院で文芸創作を学んだ。『チェリーシュリンプ―わたしは、わたし』で、韓国の児童書文学賞「第9回トンネ青少年文学賞大賞」を受賞
吉原育子[ヨシハライクコ]
新潟市生まれ。埼玉大学教育学部音楽専攻卒業。成均館大学などで韓国語を学ぶ。韓国文学翻訳院短期集中課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
22
中学2年生の女子「仲よし五人組」の一人ダヒョン。ひょんなことから他のメンバーが嫌っているウンユと親しくなり……。日本でも思春期の女子にありがちなしがらみに苦しむ。それがとてもリアルに描かれていること、そしてそこから脱皮していこうとするダヒョンが綴っていくブログ「チェリーシュリンプ」のメッセージ、これが研ぎ澄まされた非凡なもので、「ありふれた風景」と「詩的な感受性」が絶妙に調和している。2022/06/11
mntmt
19
14歳、思春期。「わたしは、わたし」と思えるまでの葛藤。誰もが通る道だろうなぁ。おいしそうな食べ物が たくさん出てくる。2021/03/11
すみっちょ
17
自分が中学生の頃を思い出して胸がギューッとなりました。 今時の子達は私の頃よりもっと友達付き合いが難しいのかも。うちの子を見ててもしんどそうな時が結構あるので、親として常に心配はあります。ダヒョンは途中で自分を取り戻せてよかったです。ダヒョンにとってウンユ、シフ、ヘガンは授業で組まされただけのクラスメイトでしたが、案外そういう関係の方が大人になっても程よく付き合い続けていけるものかもしれません。ダヒョンやシフのお母さんがかっこよかったので、自分もそんな親になりたいと思いました。2023/04/24
あーちゃん
14
学生の時に経験した事のある 悩みと、たたかう子の話2021/01/25
ぱせり
9
チェリーシュリンプとは、小さな赤いエビ。かよわそうだけれど、脱皮を繰り返して成長する逞しい生命体。「私と似ている」というダヒョンだけれど、最初と最後では「似ている」の意味が少し違う。こんなに小さなエビでさえ、見る側の気持ちによって印象が違ってくるのだもの、相手が人であればなおさらだよね。2021/11/05