内容説明
田川航の拾った子犬は後ろ足が切られて足首から下がない。いじめを受けていた航は、そんな子犬に自分の姿を重ね、未来への希望をたくして希と名づける。希は同情の言葉をかける人にさわられるのはいやがるのに、航のクラスメートにはだまってじっとなでられている。その子たちもまた、なにかしらの傷を心にかかえていた。まるでみんなの心の薬箱のようになっていく希。航は希のいない人生など考えられなくなっていた。そんな時、航はクローンペットを作る会社があることを知る。そのホームページにはこう書いてあった。大切なペットが再び同じ姿で誕生します。まさに「命のコピー」。失くしてしまった大切な命が再び同じ姿で生まれるとしたら…あなたはそれを望みますか?15万部「犬たちをおくる日」の著者がおくる衝撃の物語。
著者等紹介
今西乃子[イマニシノリコ]
大阪府岸和田市生まれ。主に児童書のノンフィクションを手がける。執筆のかたわら愛犬を同伴して行う「命の授業」をテーマに小学校などで、出前授業を行っている。日本児童文学者協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
ペットロスを満たすために、クローンペットビジネスというものが実在!していることに驚いた。失ってしまった大切な命、同じ姿で生まれるならばそれを望むか望まないか、自分はどうだろう?と考えさせられました。児童書なので、小学生の航くんと犬の希(虐待され捨てられていた)を主人公に分かりやすく書いてありますが、今西乃子さんの作品なので、内容以上の深いものがあります。あとがきまでしっかり読んで欲しい本です。2019/03/28
HNYYS
6
図書館本。とても読みやすく、かつ夢のシーンは手に汗を握るような緊張感と疾走感がありました。クローンについてもっと倫理的道理的ちしきを身に付けたいと感じました。2020/05/11
ヨシ
3
それでも生きていて欲しい…でも…考えさせた。児童書だけど小学生には難しいかも…
ぷりん
3
重いテーマを、中学年の子供たちにもわかるような物語に仕立ててくれており、クローンを初めて知るような子どもたちが命について考えるきっかけになると思います。2020/09/30
mame
2
クローンという、難しい題材を考えさせるにはありかもしれない。児童書として終わりを求めたのだろうと思うが、実際にクローンを作る人だっているだろうし、子どもに戻らず終わっても、良かったかな…。 子ども時代の流れは、読みやすく良かった。2021/03/26