出版社内容情報
拾った仔馬を大切に育て、競馬で一等となったスーフ。しかし約束を違えた王は奪った馬を殺してしまう。スーフの夢に現れた馬は自分の体で楽器「馬頭琴」を作るよう懇願する。長年愛され続けるモンゴル民話を人気絵本作家が描く。
内容説明
きょうだいのいないスーフが、まるでいもうとかおとうとのようにかわいがり、せわをし、たいせつにそだてたしろいうま。しかし、やくそくをたがえたおうさまによって、スーフはきずつけられ、しろいうまはいのちをうばわれてしまいます。かなしみにくれるスーフのゆめのなかで、しろいうまはじぶんのからだでがっきをつくってほしいとねがうのでした。―モンゴルの楽器・馬頭琴が馬の形をしているのにはこんな哀しい話があるのです。40年以上愛されている哀しく美しいモンゴル民話、いもとようこ流に魂をこめて贈る物語。
著者等紹介
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油画科卒業。『ねこのえほん』『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞。『いもとようこうたの絵本1』で同グラフィック賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
64
いもうようこのやさしい絵とすてきなモンゴルの民話。堀江敏幸「いつか王子駅で」で引用されていた。羊飼いの貧しいスーフという少年が美しい白い馬を育てました。王様の開いた競馬大会でスーフと白い馬は優勝しましたが、王様は強引に白い馬だけを奪い取ってしまいます。白い馬も逃げ出しますが、矢を放たれスーフの元で息絶えてしまいます。夢の中でスーフは私の体で楽器を作ってくださいとお願いされます。スーフが白い馬から作った楽器の音色はすべての人々と動物たちの心を慰めてくれるのです。それがモンゴルに伝わる楽器「馬頭琴」なのです。2019/12/15
雪紫
36
昔教科書で見た時はスーホだったような・・・。とにかく悲しい話だが救いはある・・・と思うけど当時から、もしあの王様がその馬頭琴の存在を知ったなら、それをあの彼が持ち主だと知れば、殺してでも奪い取ろうとするのでは。と不安になった気持ちも思い出してしまう。2020/08/28
刹那
17
私の小学生の時の教科書に載ってた話な気がします。と思うんだけど、スーホー白い馬やったと思う。同じ内容だよー(*^^*)せつないお話でした。2012/09/04
杏子
16
いもとさんの絵で可愛らしい絵本になりました。 話は同じなのに… ずいぶんと印象が変わるものです。哀しいお話だけど、読んで聞かせてみたいです。2014/05/09
ぺけぽん
16
「スーホの白い馬」より柔らかな絵ですが。ちょいと白い馬が血染めになっているのが痛々しくて、あ~なんだか「スーホ」よる辛くなりました。2012/08/24