珈琲牛乳

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珈琲牛乳

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  • サイズ B6判/ページ数 159p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784323071251
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

医学部を目指し受験勉強に没頭する真希。医者になりたいのは、父と同じ職業につきたいからだけではない。自分も父と同じ病気になるのではないか。その不安に打ち勝つためだった。父の病は躁うつ病。自分と父との境界がわからなくなる恐怖と受験のストレスから、家を出た母のもとに身を寄せるが、結局、父親を見捨てることができない。嫌悪しつつも、否定しきれない父とのつながり。そんな父との関係に疲れた真希が求めるものは、自分のためだけに母が作る「珈琲牛乳」だった。親に翻弄されているようで、実はしっかりと人生を見つめ、もがきながらも前進していく少女の姿を描く。第15回やまなし文学賞小説部門佳作受賞作。

著者等紹介

白坂愛[シラサカアイ]
千葉県出身。日本大学芸術学部卒業。会社員、NHK静岡放送局キャスター研修を経験した後、山梨大学医学部入学。現在在学中。『珈琲牛乳』で第15回やまなし文学賞佳作に入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

77
躁病と鬱病…実際にどんな症状か詳しくわからなかったが、この物語で少し理解できた。不安が大きくなると心を自分でコントロールできなくなってしまうのかなあ。父だけでなく娘の言葉も幸せ…とか感謝…とか繰り返し繰り返し呟くから中身の無い単語のようにしか聞こえず。母と娘のどうもうまく噛み合わない雰囲気に、読者である私の気持ちが潰されそうになってしまった。誰かに支えられることで不安は薄まっていく。でも支えるって口では簡単に言えるけど、実際に支えるって忍耐と努力と心の広さといろんなものを要求されるのかもしれない。2016/12/21

mocha

72
躁鬱病の父への嫌悪と、救いたいという気持ち、そして遺伝しているかもしれないという恐怖感。どこまでが性質でどこからが病なのか、思春期の不安定さも相まって、終始胸苦しい。珈琲牛乳は幸せだった頃の象徴。今、あの頃と同じグラスで飲んだとしても、きっと同じ味にはならない。宙ぶらりんなままで放り出されたようなラスト。あまり好きな作品ではなかった。2015/09/21

野のこ

13
父の躁鬱の遺伝のしがらみから抜け出せず、娘の心も行ったり来たり。幸せだぁと思っても、ふとした出来事で魔法は解ける。優しい母の言葉も丸のみにはできない。彼女の作る甘ったるくて手のかかった珈琲牛乳を飲みたいのに…。始終、躁鬱、躁鬱という言葉に私の心も暗〜くなりました。家族として大変なのはよくわかったけど、残念ながら好みではなかったです。2016/12/14

ヒラP@ehon.gohon

12
現実の家族と心理的な家族の絆を、若い女性の歓声で描いた物語。マイルドさの中に、家族の強さと脆さを感じました。2020/01/13

asuka

3
タイトルと装丁に惹かれて手に取ってみました。内容のほうは、テーマがテーマなだけにちょっと読んでてつらいです。とても読みやすくて、文章もきれいですが、起承転結もなく入り込む事も考え込む事もなく読み終わってしまいました。残念。2013/04/24

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