内容説明
イギリスの歴史物語『チェンジングワールド』。その主人公・勇者ルーカスに自分を重ねながら、森河大夢はクラスのいじめにたえていた。しかし偶然出会った料理教室の先生・香奈子に料理を教わるうちに、大夢はさまざまな「味」があることを学んでいく。いじめる側の亨、新たないじめのターゲット勇人、ひとり立ちむかおうとする優菜、そして笑顔を見せなくなった父、それぞれの味。くりかえし、くりかえしアクをとり、手間をかけ、ひとつのスープができあがっていくように、やがてすべての「味」が変化して、自分という名の料理を作りあげていく。チェンジングワールド―真の勇者の道を歩まん。
著者等紹介
吉富多美[ヨシトミタミ]
山形県新庄市に生まれる。横浜市児童福祉審議会委員等を務める。横浜市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
73
児童書。YA。小学5年生の大夢(たいむ)はいじめっ子に追われ見知らぬ庭に逃げ込んだ。助けてくれた香奈子に料理を教わるうちに、大夢は色んなことに気づいていく。イギリスの歴史小説『チェンジング・ワールド』に出てくる勇者のように、自由の心を持って的に立ち向かう。大夢は同級生たちと「ユニオン」を作り、いじめに立ち向かう。▽香奈子が教えてくれる料理が、栄養満点で美味しそう。「口に入れるものを選ぶのはね、自分で自分をつくるということなの」子供を見守る大人の存在が嬉しい▽ずいぶん昔に読んでいたけど、紹介のために再読良本2022/04/28
ゆみねこ
53
小学校5年生の大夢(タイム)が、大好きな本と大切な友達、料理を作ることを通していじめのあるクラスを立て直していく物語。児童書ですが、大人にもうったえる部分が沢山ありました。小学校中学年以上のお子さんをお持ちの皆さん、親子で読まれたら良いと思いますよ。2014/03/16
どら母 学校図書館を考える
14
勤務先図書館で、違う棚にあったのを戻そうとして、どんな話かちらっと見たら引き込まれて、読み切ってしまいました。いじめ、母の死、両親の不和、ネグレクト、これでもかと盛り込みながら、偶然出会った大人との良い関係と料理がいい味出してる。「ハッピーバースデー」の共著者だった。2016/10/14
頼ちゃん
8
現実にはこううまくはいかないかもせれないが、なんか勇気がわいてくる一冊。料理と本の力が感じられるのもいい。2018/01/06
inokori
5
同僚がローカル紙読書面に寄稿するおすすめ本で、彼が書いたものを確認するために、拙速で大筋を読んだ。いろいろなトピックが重なり合っているので、改めてゆっくり読みたい。2024/09/17