出版社内容情報
終戦を迎えて60年というこの年。平和のために決して風化させてはならない記憶をつづった、二二〇万部をこえる感動の名作が、アニメーション映画になりました。映画の感動をそのままに、平和を願うすべての人へ贈る一冊。
内容説明
一九四五(昭和二十)年三月十日。東京都上空にアメリカの爆撃機B29の大編隊があらわれました。雨あられのようにふりそそぐ焼夷弾。東京大空襲です。十二歳の敏子は、この空襲でお母さんとふたりの妹をうしないました。さらに、目の前でお父さんもなくしてしまいます。ふたりのお兄さんは戦争にいっていました。たったひとりになってしまった敏子にのこされたのは、半分とけて形のくずれたお父さんの形見、「ガラスのうさぎ」でした。小学校3・4年生から。
目次
下町のガラス工場
お国のために戦場へ
生きて帰っておいで
お母さんのもとをはなれて
ほのおにのまれた東京
ガラスのうさぎがとけた
弾丸の雨
わたしはひとりぼっち
水くみの日々
焼け跡の希望と涙
もう二度と戦争はしない
著者等紹介
高木敏子[タカギトシコ]
1932年東京都本所区(現・墨田区)に生まれる。文化学院卒業。処女作『ガラスのうさぎ』で、1978年厚生省児童福祉文化奨励賞(呼称は当時)、1797年日本ジャーナリスト会議奨励賞を受ける。『ガラスのうさぎ』は実写映画化、NHK銀河テレビ小説でのテレビドラマ化の他、合唱組曲、英語劇にもなり、また英語、中国語、スペイン語、ハンガリー語をはじめ、世界各国で翻訳版が出版されている
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
32
児童書、アニメ版ガラスのうさぎ。昔どこかで見た戦争のアニメ、あれ何だったかな〜?と長年謎だった作品があったのですが(火垂るの墓は違った)、もしかするとこれかもしれないと絵を見て思い出しました。児童向けなので国民目線、反戦色強いです。子供たちが戦争への関心を持ち、知ろうと思えるとっかかりにはこのぐらいの作品も良いと思います。2019/06/28
チロル
10
図書館本。東京出身、原作者 高木(旧姓:江井)敏子さんの家族が実際に体験した東京大空襲などのことが書かれています。「学徒出陣」って、言葉では聞いたことがありますが、「理系以外の大学生たちが戦地に赴くこと」と知り驚きました。敏子さんと、妹たちは縁故疎開の為、神奈川県二宮町へ。(そこには『ガラスのうさぎ』の像があります。)しかし、寂しさから妹たちは両親のいる東京に戻り、母とともに空襲で犠牲に‥。敏子さんを訪ねてきた父も 二宮町の駅で機銃掃射に合い、その場で犠牲に‥。1人で 懸命に手続きをして‥。2025/08/09
サラサラココ
4
小2、再読。こういったノンフィクションは、親の方が感情移入してしまう。2020/10/18
ぴんく
3
図書館本。読友さんのレビューを見て初めて知りました。戦争の話はやはり読んでいてつらいですね。でも戦争で辛い体験をした方々の話は語り継がなくてはならないものだと思います。憲法記念日が制定されたことも含めて子供にも分かりやすく書かれていました。2024/08/07
衣
2
実家に帰ってきて、母が渡してくれた。小学生のときに読んだ本。懐かしさに驚きつつも読み進めたら、かつてのように、悲しさとやり切れなさと敏子の強さに胸が震えて仕方なかった。2018/03/22