出版社内容情報
母親からの精神的虐待で声を失う少女・あすかの物語「ハッピーバースデー」。
〔文芸書版〕は、母・静代が娘を愛せない理由を丹念に追い、静代のバックストーリーが明かされていきます。心の闇を暴く新たなる人物の登場によって静代はどう変わっていくのか。原作とはまた違う涙を誘う感動作!
内容説明
「ああ、あすかなんて、本当に生まなきゃよかったなあ。」自分の思い通りに成長した長男に比べ、できの悪い娘あすかに容赦ない言葉を浴びせる母静代。しかし静代の見せかけの鎧は、職場の年若い上司なつきによって徐々に剥がされていく。愛に餓え、愛を求めて彷徨う母娘の再生の物語。
著者等紹介
青木和雄[アオキカズオ]
神奈川県横浜市に生まれる。横浜市教育委員会指導主事、横浜市立小学校長等を経て、教育カウンセラー、法務省人権擁護委員、神奈川県子どもの人権専門委員長、保護司。横浜市在住
吉富多美[ヨシトミタミ]
山形県新庄市に生まれる。横浜市児童福祉審議会委員等を務める。横浜市在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
229
読友さんからオススメいただいた作品です。小学五年生の女の子「あすか」は家族の自分に対するココロない接し方から『自分なんて生まれてこなければ…』と悩み、声が出せなくなります。兄「直人」は妹の異変に気づき、自分を見つめ直すとともに妹をサポートしていきます。改めて'生きる'ことの意味、大切さなどを様々な目線から問いかけてくる展開はココロがぎゅっとなります。様々な善悪や正誤がありますが、本作を手に取ることで少なからず、自分の生き方や存在意義を考えさせてくれる素晴らしい作品と出会えたことにひたすら感謝しています。2018/01/28
馨
132
『人は変われる。そのために学ぶんだ』作品の中で、あすかが言った言葉です。すごく納得しました。色んなつらい経験をしたあすかだからこそ言えた言葉だと思います。子供の気持ちがわからない親がいるのならぜひ読んでほしいと思います。
mukimi
109
小学生の頃読んで心に激震が走り号泣した、20年経った今でも記憶に刻まれていた児童書。ふと思い出してぽちった。主人公よりもその母の年齢に近づいた今読んでみて、ストーリーを覚えていることに驚き、人は変われるのだ、そして、人を許すことは自分を大切にすることだ、という、小学生時代の真っ白な心に深く刻まれたメッセージは未だに自分のルーツかもしれないと思った。児童書だけにストーリー展開や人物描写が極端で、大人には逆に面食らうところもあったが、そこも含めて20年かけて自分の中で変わったもの、変わらないものを噛み締めた。2020/09/13
Shinji
90
児童書ということもあって、話の展開や人物の気持ちの切り替えがスッパリと早い。まあ、読み物というカテゴリーじゃなくて、特別な伝えたい大切な事があるから これでいいんだろうね!子供達が読む分には、「いじめ」や「虐待」についてストレートに考えればいいと思いますが、大人という立場からいうと 自分の心以外の心にどれだけ寄り添えているかを考えさせられました。2015/08/04
紫綺
89
単行本で読了。親としての自分自身を問い直すいいきっかけになった。2013/06/15