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出版社内容情報
息もつまる思いでページをめくりながら、何度も目頭をぬぐわずにはいられませんでした。それほどまでにこの一冊は、読んだ人の心を強く揺さぶる力をもっています。これはまぎれもなく、実際にあった出来事なのですから。
平成17年5月、アニメ映画化!
小学校高学年から
内容説明
1945年3月10日、東京大空襲。東京の町は、戦火につつまれた。焼け跡には、敏子の家にあった「ガラスのうさぎ」が、ぐにゃぐにゃになって、ころがっていた。うさぎは、燃えさかる炎に身を焼かれながらも、戦争の悲惨さを、みつめつづけていたのだった―。東京大空襲で母と妹をうしない、その後、機銃掃射で父をも―。戦争の中を生きぬいた著者が、平和への祈りをこめて、少女時代の体験をつづった、感動のノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
149
東京大空襲で家族と帰る家失った少女の遍歴を描いたノンフィクション。特攻隊・空襲・急降下機銃掃射による家族・友人との離別や縁故疎開の惨めさなど戦時下の悲劇の縮図を映す一方で、手を差し伸べる周囲の真心も余すことなく描き、人間の非情と優しさに触れた著者の局面毎の心境が手に取るようなリアリティで伝わってくる。主観的な小説の手法ならではの迫力。自殺未遂から家出まで向こう見ずな行動は未知と波瀾に満ちていて展開に弛緩がなく、淡々とした語りや気概は読者を感傷に溺れさせない。溶け爛れたガラスのうさぎは今日も増え続けている。2023/03/03
ままこ
80
淡々と書かれているが胸に残る少女時代の戦争体験談。空襲で母妹達が行方不明、そして父親も亡くした敏子。途方に暮れていたが色んな人達に助けてもらいながら懸命に生きていく。親戚より他人の方が親身にだったという印象が残る。永く読み続けられている作品。これからも読み続けられて欲しい。2018/07/23
馨
49
戦争体験と一言でまとめられない敏子の壮絶な人生、何と言って良いやら…あまりにも現代の子との差がありすぎて驚きました。両親や妹たちを失っても、くじけそうになっても強い心でまた立ち上がる姿がすごすぎます。周囲の人の優しさもすばらしいです。個人としては皆良い人たちが、戦争で国となると互いに殺し合うようになる、やっぱり戦争はしちゃいけないんだと敏子が真剣に考えていたように私たちも考えないといけないですね。2015/01/31
ちぐ
34
著者12歳のときの戦争体験の話である。東京大空襲で母親と妹2人を失い、さらには疎開先の神奈川県二宮町で米軍による機銃掃射により、目の前で父親が殺されてしまう。あまりにも残酷で絶望的な境遇の中、一人ぼっちになってしまっても生きる勇気を奮い立たせ、めげることなく辛抱し困難の中どのように考えどのように過ごしたかが分かりやすく書いてある。戦争の虚しさはもちろん、命の大切さ、不幸や困難に立ち向かう意志。こんにちの子供たちには特に読んでほしいし知ってほしい。2017/09/19
♪みどりpiyopiyo♪
33
子供の頃に読みました。中学生くらいだったかな? 自分と同じ年頃の子のお話は、とてもおそろしくて、とてもこわくて、読み終えるのに時間がかかりました。 こわかったけど こわいって誰にも言えなくて、じっと1人で考えてました。こわいことがあると言葉が出なくなるのは子供の頃からだったんだなー。