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内容説明
野良猫の不妊去勢手術を専門に行う病院を開き、これまで3万匹をこえる猫の手術を行ってきた齊藤朋子獣医師。未来の猫の命を守るためには、繁殖制限をして望まれない命が生まれないようにしなければいけない。「殺処分を終わらせるのは獣医師である自分の使命だ」熱い信念のもと、殺処分ゼロへ向け、つき進む姿をえがく。
目次
はじめに
モコ先生、野良猫に手術をする
“動物のお医者さん”になりたい!
獣医になって何をするの?
初めてのオペ
「飼い主のいない猫の病院」誕生
堕胎手術がつらい
日本全国でゴールゼロを目指す
命は、取り返しがつかない
技術の安売りって何?
失敗した手術
ボランティアの思い
いつか外に猫がいなくなる
お別れ
人の手が温かいものでありますように
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
26
都内で動物病院を経営しながら月に数度の地方回りをし、野良猫の不妊去勢手術を破格で行っている獣医師の斎藤さん。殺処分ゼロを掲げ、NPO法人も発足している。日々活動を続ける斎藤さんには、様々な葛藤が渦巻く。同業者からの紛糾、ボランティアとの意見の相違などなど。猫の命が絡むデリケートな問題だ。斎藤さんが獣医師になるまでの道のりも語られる。両親の力添えと励ましがあったからこそ、進むべき道を見出だせたのだと。メスを握れるうちは手術を止めない、その決意に漲っていた。近い将来「課題図書」に選定されることだろう。2024/07/27
まる子
20
獣医師の斎藤朋子先生(moko先生)は子供の頃に「動物のお医者さん」を目指していた。ある動物との出会いがきっかけで、殺処分ゼロを願い野良猫の去勢手術を行う獣医師に。数をこなしても死んでしまえは殺処分と同じこと。術後も生きていられるように。しかしそれは簡単な事ではない。自分の技術向上と動物の命を扱う、それがどれだけ大変な事か。費用が安いから簡単に。死んでも仕方ない。ではなく、それでも持続可能なゼロを限りなく目指す。責任の持てない多頭飼育は考えよう💧就職氷河期、さらに女性であることが獣医師にもあったんだ…。2024/03/03
宇宙猫
20
★★★ TNRのため低価格で大量の猫の手術をする獣医師の話。情熱はすごいけど少しやり過ぎ感があるかな。夫が稼ぐので赤字にならなければいい人と、ふつうに仕事にしていて稼ぐ必要がある人では同じことはできないだろう。ボランティアに女性が多いのは、そういう理由もあるのかな。2023/09/24
kanki
16
NF。野良猫をひたすら不妊手術し殺処分を防ぐ。こういう専門の動物病院は知らなかった。TNR:trap,neuter,return。2023/11/02
timeturner
5
児童書でこういう活動を扱うのはとても大切だと思う。今の世の中で見られる動物虐待のほとんどは、子供の頃に殺処分、TNR、伝染病、多頭飼育崩壊といった知識を身に着けておけば大幅に減らせるんじゃないかな。それにしても、モコ先生、バセドウ病もちなのにこんなに働いて大丈夫なのかな。 2023/11/11