出版社内容情報
カラスは毎日、ある病院の一室にいる、たったひとりの友だちを訪ねます。目も見えず病気も重い友だちは、カラスから話を聞くのを楽しみにしていました。ところが友だちは危篤に…。そこへ天使の羽が舞い降りてきます。
内容説明
たったひとりのともだちはたったひとりのともだちのために。いもとようこが描く一羽のからすと少年の美しい物語。
著者等紹介
原田えいせい[ハラダエイセイ]
1972年静岡県生まれ。大学卒業後、単身渡米。世界13か国の友人たちとの出会いから「人はどう生きるか」を学ぶ。帰国後、その独自の人生哲学“マユツバの幸福論”をメールマガジン・月刊「心のサプリ」で配信。現在は仕事で海外を飛びまわる2児のパパ
いもとようこ[イモトヨウコ]
兵庫県生まれ。金沢美術工芸大学油画科卒業。『ねこのえほん』『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞。『いもとようこうたの絵本1』で同グラフィック賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
148
たったひとりのともだち、カラスが窓辺から飛び立ち、羽ばたきながら雫を落としている姿を想像するだけで、もうこの絵本を閉じてしまおうかと思ってしまった。きっと結末は悲しいものだと察してしまったから。でも、現実では避けることはできない。少年は不安や孤独の隙間から希望の光を探しているけれど、病の重さを受け入れるしかなくて、周囲からかける言葉もみつからない。命を終える恐怖から希望の羽根が救ってくれる。ひとりじゃないよ。いつまでもいつまでも一緒だよ。たくさんの絵本を読んできたけれど、久しぶりに悲しみに打ちひしがれた。2025/09/14
馨
52
絵本。カラスと病気の少年の友情物語。カラスが羽を少年に投げるシーン好きです。泣けます。2024/06/09
わむう
23
ひとりぼっちのカラスにできた初めての友達は目が見えず重い病気を患う少年。毎日欠かさず会いに行き外の様子を訪ねる男の子に優しく鳴き声で教えてあげる。日に日に弱って行く男の子の最後の願いは天使が迎えに来てくれること。それを知ったカラスは自分の羽を毟り男の子の元へ届ける。両方にとってお互いがかけがえのない友達であり天使のような存在だったんだろうな。2017/11/25
棕櫚木庵
19
いもとようこ の柔らかく,余計な背景や装飾のない絵で語られるごく単純な物語.限りある命を生きる哀しみ.それに直面した時,もっともらしい道徳・教訓で辻褄をあわせるのではなく,ただ,「こえを からして なきました.いつまでも いつまでも なきました」.教皇フランシスコの言葉を思い出した: <道端に苦しむ人がいたら,ポケットにあった2,3枚の金貨を与えて立ち去っていく・・・キリストはそうはしなかった.立ち止まり,そこに留まり,涙を流した>(取意).2024/07/18
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
18
ひとりぼっちのからすに、初めてできたお友だちは目の見えない人間の男の子。死が近づいていることを感じる男の子は、毎日きてくれるからすを心待ちにしていましたが…。とても切ないおはなし。またひとりぼっちになったからすですが、心にはいつも「きみは ぼくの たったひとりのともだちだよ!」と言ってくれた男の子がいます。2022/05/24
-
- 和書
- プレゼントの木