出版社内容情報
現在もカースト制度という厳しい身分差別の残るインド。ビーム・アンベードカルはしいたげられた人々を救うために立ち上がった。しかし、志なかばにして永眠してしまった彼の心を継いだのは、一人の日本人僧侶だった。 小学校高学年~
内容説明
「なぜ、ぼくたちマハール族だけがいじめられるのだろう?」インドに生まれた少年ビームは、いつも考えていた。同じインド人でありながら、マハール族の者は人間としてあつかわれない。差別にきずつきながらビームは成長し、やがて、しいたげられた大勢の人びとのために立ち上がる―。時はながれ、ビームの志を受けつぐことになったのは、ひとりの日本人の青年だった。小学5・6年生から。
目次
1 しいたげられた少年
2 立ちあがったビーム
3 おとずれた夜明け
4 幻にみちびかれ…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
82
課題図書でなかったら読む人はどれだけいるだろうかと思われる本てす。けれども、ここまで読んで、説教臭くて道徳の教科書のような本だなんて思わないでください。主人公は、インドにおいてカースト制による差別に反対し続けたアンベードカル。彼は、あのガンジーとインドの独立とカースト制度の問題で対立し続けた人物でもありました。恥ずかしながら、私はこの本を読むまでそのことに無知でした。カンジーを聖人の如く紹介した伝記しか読んだことの無かった私は、太陽の如く眩しいガンジーの間近で輝き続けていた特等星を見落としていたようです。
Emi
32
児童書なのでとても分かりやすい。インド独立前後の時期にカースト制度撤廃に尽力したビーム。カースト制度がヒンズー教の教え由来であり、上位カーストにとっては既得権益を守りたいというのもあってものすごい抵抗と苦難だったんでしょう。結局はある意味道半ばで仏教徒への転換によりアウトカーストを救う道を拓く形になったんですね。ガンジーの考え方や戦略としての断食という視点も発見でした。インド知識ほぼゼロなので実に興味深くて面白かったです。宗教って何なんだろうと考えさせられました。2023/05/14
startvalue
2
★★★★★2018/05/28
桃葉
2
こういう人達は、なぜ最終的に[立派な寺を作る]のが目標になるんだろう。2017/12/03