出版社内容情報
ドイツで生まれ、日本の山野を走って80年。花形機関車として人々にもてはやされた全盛時代から、だんだん地方の支線の豆機関車にかわっていったクラウス17号の、喜びと悲しみの一生を描きます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
60
古いドイツの機関車、クラウス。周りを見ると、新しい客車ばかり。東京に連れて行かれたが、10年ほど土運びの仕事を任されてお払い箱。次は北海道で石炭を運ぶ事になったが、石炭も需要がなくなってしまった。愈々終わりかと思ったら、1970年の大阪万博に運ばれ、ドイツ人の人々がびっくりしたという。調べると昭和61年遠野で走ったらしい😊ちなみに当時大阪万博の入場料は大人800円。右肩上がりしていない日本のお給料、これなら私も入場出来たかも😢😢😢2024/03/17
ツキノ
14
図書館の書庫の絵本・児童書を読もうキャンペーン・267(E-88)ドイツからやってきた蒸気機関車クラウス15号、17号が長年日本で愛され、しっかり働いたはなし。クラウス号自らが語るスタイル、藤沢友一氏の細かい線描写が印象的な絵がいい。クラウス17号、現在は那珂川清流鉄道保存会が保存しているとのこと。2018/02/15
読書は人生を明るく照らす灯り
13
子供の頃は、みんな乗り物が大好き。その中でも機関車は特に大好きでした。その機関車が人を運ぶのではなく、物を運ぶ乗り物になっていくのが寂しく感じます。ドイツから輸入された乗り物が、ドイツよりも長く走り続けている話に感動しました2023/10/06
遠い日
11
ドイツからやってきて80年、日本で働いたクラウス15号と17号。小さいけれど抜群の力持ち。何度も働く場所を移り、自分たちの本意ではない仕事もしたけれど、そのひとつひとつが今となっては誇らしい。藤沢友一さんの情緒あふれる絵がすばらしい。2018/04/25
紅花
11
クラウス17号で調べてみたら、実話でした。現在那珂川清流鉄道保存会にて保存されているそうです。時代に翻弄されながらも、強く逞しく前向きに走っていくクラウス17の工場から現在までを、素朴な絵、淡々で進める。機関車は低学年の大好きな題材だけど、これはどちらかといえば、高学年向き。2015/10/24