出版社内容情報
人口減少・低成長・金利転換という激変期に、銀行はどう生き残るべきかを問い直す。第I部では日銀の政策変更と人口動態が預貸スプレッドや経費構造に与える影響を、実証分析で解剖。第II部ではDigital・Branch・Professionalから成る「DBPモデル」を提示し、リアルとデジタルの最適な接点設計を描く。第III部ではネット銀行、ネオバンク、コード決済などオルタナティブとの競争と連携の可能性を検証。第IV部ではデータ活用と生成AI、オープンイノベーションを軸に「データ・ドリブン・バンク」への転換戦略を示す。現場を知るコンサルタントが、レガシーを解体し新しい銀行像を提示する、金融実務者必読の一冊。
【著者からのメッセージ】
いつも応援してくださる皆様へ
お待たせいたしました。8年ぶりの銀行関連の新著です。
私にとって単著のはじまりは2004年に上梓した『「新」銀行論』になります。はじめての単著から22年目経ち、新たな『「新」銀行論』として『シン・ギンコウロン』を上梓することになりました。60代半ばに差し掛かった私にとって、経営コンサルタントとしての集大成の書でもあります。また、昨年5月に上梓した『地域経済のあしたの育み方』と合わせて『人口動態と経済』シリーズとなります。
本書は520ページにおよぶ大作になってしまいました。企画したのは2022年のことですが、第Ⅰ部で展開する、人口動態が銀行業に及ぼす影響についての統計モデルづくりは2021年から作業をはじめ、足掛け5年の時間を要しました。それでも銀行界のさまざまな思い込みを正す分析結果をお知らせできることに、苦労の甲斐を感じています。第Ⅱ部はリアルな接点抜きには成功しないデジタルの世界を描き、第Ⅲ部では新たな銀行業態がポイント主権を武器にレガシーバンクに立ち向かい、劣勢に追い込まれたレガシーバンク自体が事業モデルのリデザインをしなければならない局面を迎えていることを伝えています。第Ⅳ部は新しい銀行モデルの礎としてのデータサイエンスを語りながら、実は銀行組織の本質的な課題、同質的な企業カルチャーからの転換を促しています。「おわりに」は名もなき中小企業家の独白として、事業者から銀行がどのように見えるのか、分析ではなく自身の体験から率直なところを書かせていただきました。
もはや思い残すことがないと言い切れるくらい、経営コンサルタントになって40年の思いを記しています。銀行経営に携わる方々にとってお役に立てれば、至福の極みです。ご高覧いただければと存じます。(大庫直樹)
【目次】
内容説明
22年ぶりの『「新」銀行論』ここに登場!データを制する銀行が市場を制す。
目次
第1部 リアル―人口動態に翻弄され続ける銀行モデルの現実(日銀の金融政策変更はどこまで吉報か;預貸ギャップを通じた人口動態の呪縛;営業費用からみる限り地域銀行の経営は個性より時間に漂う;独占的な市場と競争市場の経営上の峻別)
第2部 デジタル―デジタル・オンリーの袋小路から抜け出すためのリアルの役割(デジタル・オンリーという新たなレガシーに気づけ;Digital・Branch・Professional(DBP)という視点をもて
リレーションシップ・ディレクターという新たなポジション
支店長がプロデューサーとなりプロフェッショナルを操れ)
第3部 オルタナティブ―かたちを変えた銀行モデルの出現とポイント主権をめぐる争いという本質(変幻自在なデジタルバンクはメインにもネオバンクにも;キャッシュレスを超えポイント経済圏化するペイメント・ワールド;銀行サービスのサブスクリプション化は進むのか;メガバンクたちの決断、地銀たちの躊躇)
第4部 データ―データを制するための戦略的パートナーシップという決断(金融の世界はあまたのデータに溢れども;分析はまだヒトと機械の協働が重要;生成AIは銀行業のあり方を抜本的に変える;オープンイノベーションと戦略的パートナーシップ)
著者等紹介
大庫直樹[オオゴナオキ]
東京大学理学部数学科卒業。1985年にマッキンゼーに入社以来20年にわたり、主に金融機関、金融関連サービス会社に対するコンサルティングに従事。1999年パートナーに選任されリテールバンキング・プラクティスをリードし、東京オフィスの経営に携わる。2008年にルートエフ株式会社、2017年にルートエフ・データム株式会社を創業し、ともに代表取締役。公職として金融庁金融研究センター顧問、広島県特別参与を拝命(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



