出版社内容情報
園尾 隆司[ソノオ タカシ]
著・文・その他
内容説明
転換期を生き残る水軍精神(スピリッツ)。混迷する企業経営に海図を示す。
目次
序章 村上水軍研究の動機と用語の定義
第1章 村上水軍成立前史
第2章 海賊と水軍
第3章 村上水軍の成立と勢力の拡大
第4章 海賊禁止令と能島村上水軍の瀬戸内退去
第5章 嫡流能島村上家の伯方島残留と江戸時代への承継
第6章 因島村上水軍の成立とその後の歴史
第7章 村上水軍の経営哲学
著者等紹介
園尾隆司[ソノオタカシ]
1949年生まれ、1972年東京大学法学部卒業、1974年東京地方裁判所補。札幌地方裁判所判事、最高裁判所民事局第2課長、同第1課長、東京地方裁判所判事、最高裁判所民事局長、同総務局長などを経て、2007年静岡地方裁判所長。2009年東京高等裁判所部総括判事。2014年弁護士登録、西村あさひ法律事務所オブカウンセル。2015年~事業再生支援機構理事、2017年~東日本大震災事業者再生支援機構社外取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きみたけ
52
面白かった。著者は、最高裁判所民事局長、西村あさひ法律事務所オブカウンセル、東日本大震災事業者再生支援機構社外取締役を歴任した園尾隆司氏。裁判官の目から見た村上水軍の真実の歴史と、その中から見えてくる経営哲学としての「村上水軍哲学」について研究した本。村上水軍の成り立ちや数々の活躍はもちろん、村上家に代々伝わる経営哲学についても学べて一石二鳥です。村上水軍の3つの経営哲学、「牽制と連携」「常に浮き沈みに備えよ」「自らの依って立つ地を活力の源とせよ」。2024/10/08
いちろく
24
読んでほしいと渡された一冊。超辛口です。元裁判官で5年前まで村上水軍を知らなかったと明記する著者が「真実の歴史」とタイトルをつけて本を出す時点で怪しい。確かに、文献調査や現地調査等の内容をまとめているけれど、文体や書形式をはじめ大学の卒論を読んでいる感覚。版元から歴史検証の意味での校閲が入っているのか?も怪しいので、流し読み程度で内容は覚えてない。これなら歴史系に強い出版元の歴史書や、歴史研究者の本を読む方が十二分に為になる。さて、本を渡してくれた方にはどう言葉を濁して感想を伝えようか?それが今の悩みだ。2020/11/27
hisayparrish
1
元裁判官による村上水軍の歴史を解明しようとした意欲的著作。説が分かれている村上海賊(水軍)の歴史を、様々な文献を参照し対比させ、現地の末裔の方々との交流をによる聴き取りも合わせて、合理的な事実認定を行っているのは、裁判官という経歴のなせる技か。相互に関連頁を参照しやすい工夫は親切で、地図や、年表、系図も充実している。ユーモアにも富み、読み物としても一級品である。最後の経営哲学は大いに参考になる。2020/09/03