内容説明
経験豊富なプロがノウハウを詳しく解説!待望の全面改訂で最新の金融技術・情報を満載。実際の経験に基づいた事例を多数紹介。国際開発金融機関・各国公的金融機関の業務や具体的な活用法を網羅。
目次
第1章 プロジェクト・ファイナンスの基本
第2章 プロジェクト・ファイナンスの主要当事者と実務手順
第3章 プロジェクト・リスクのコントロール
第4章 事業性審査とキャッシュフローのコントロール
第5章 関連する契約書と紛争解決手段
第6章 イスラム金融とプロジェクト・ファイナンス関連プロダクト
第7章 公的金融機関
第8章 事業分野別ケース・スタディ
著者等紹介
加賀隆一[カガリュウイチ]
1980年日本輸出入銀行(現、国際協力銀行)に入行。プロジェクトファイナンス部長等を経てアジア・大洋州地域拠点長。2012年アジア開発銀行に入行。官民連携部長。2018年からKing&Spalding外国法事務弁護士事務所にてシニア・アドバイザー(プロジェクト・ファイナンス・プラクティス)。慶應義塾大学経済学部卒。米エール大学大学院経済学修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hatann
9
プロジェクト・ファイナンスの実務概要を記す。欧米の金融機関によって開発されたハイリスク・ハイリターンの金融ビジネスモデルだが、欧米銀行の相次ぐ撤退により、現在では日本のメガバンクやインド・中国の金融機関が手を拡げる領域である。案件設計の基本思想や、クロージングに向けてのプロセス、取引関係者、分析のための社内関係者への目配と勘所が程よく、これさえ読めば、プロジェクト・ファイナンスの何たるかはほぼ押さえられる。金利が禁止されるイスラム圏におけるプロジェクト・ファイナンスへの組成にも触れているところも心憎い2023/10/09
ただの人間
1
旧版よりだいぶ分厚くなっていたが、相変わらずなんのためにプロジェクトファイナンスがあるのかというところから説き起こし、プロジェクトのキャッシュフローに依存するプロジェクトファイナンスにおける留意点が明らかにされている。末尾の実例集でリスクコントロール表を「中核をなす」と重視するのもその現れか。副次的にだが、時々書かれている弁護士に対する評価のあり方も参考になる2020/09/30
J. Tamura
0
二回目読了。前回は現職採用前だったが、実務を経験してからの再読は気付きが多い。リスク・キャッシュフローコントロールと関連契約書のパートは何度も読んでおきたい。読み進めるなかで、携わった案件の実例が次々と思い浮かべられ、経験を積めていることも実感できた。2024/02/12
J. Tamura
0
プロジェクトファイナンスの全容を知るために通読。読む前はページ数に多少尻込みしたものの、実際は斜め読みができるぐらい平易かつ簡潔な内容だった。ページ内に収めるために、構成の検討や各パートの分量調整に相当苦慮されたものと思われる。プロジェクトファイナンスの最大の特徴は、多様なステークホルダーが介在しリスクを分散させ、そのリスクを長期にわたって管理することである。リスクコントロールについては要因別に説明されているが、これについては案件によって毛色が全く異なるため、専門分野毎にさらに知見を広げる必要がある。2021/04/20
うーひー
0
仕事の関係、教科書的に一読。教科書の内容と関係のない部分だが、度胸のある上司と忍耐力のある部下の組合せがプロファイの組成で最強、という文言は印象に残るもの。決断力のある上司のもとで、(部下である)自分が粘り強くドキュメントの作成や修正、調整を細かく詰めきれた時には、たいていうまくいく気がするので、非常に納得感がある。何れにせよ読むたびに発見があるので繰り返し再読したい。2021/02/13