内容説明
弁護士はどのように行動することが期待されるのか。それは単に望ましい行動に過ぎないのか、それとも法的義務なのか。法的義務となるのはどのような場面か。法的義務となる根拠は契約責任か、不法行為責任か。それは誰に対する責任で、誰がその権利を行使できるのか―。破産申立代理人とは何か?その法的地位と責任を探求する。
目次
序章 はじめに(債務者代理人に期待される役割と責任―本書の目的と構成の紹介をかねて)
第1章 理論編(破産者代理人(破産手続開始申立代理人)の地位と責任―「破産管財人に対する不法行為」とは何か。補論としてのDIP型破産手続
破産手続開始申立代理人の責任―財産散逸防止義務に関する若干の検討 ほか)
第2章 Q&A編(法律相談;受任 ほか)
第3章 判例評釈編(最高裁判所平成25年4月16日第三小法廷判決 債務整理に係る法律事務を受任した弁護士が、特定の債権者の債権につき消滅時効の完成を待つ方針をとる場合において、上記方針に伴う不利益等や他の選択肢を説明すべき委任契約上の義務を負うとされた事例;東京地方裁判所平成25年2月6日判決 法人の破産手続開始申立ての委任を受けた弁護士が、当該法人の代表者が保証金の返金を受け、役員報酬4か月分を受領し、個人債務の弁済に費消した場合において、財産散逸防止義務を負うものとされた事例 ほか)