内容説明
AI(人工知能)は融資審査に取って代わってしまうのか。かつてのスコアリング融資失敗は何が原因だったのか。そして、新時代のバンカーに必要な知識とは。『文系でも分かる』をキーワードに金融機関の第一線で活躍する著者がおくる、スコアリングモデルの新しい入門書。
目次
第1部 中小企業融資とスコアリングモデル(役割と評価)
第2部 スコアリングモデルのしくみ(つくり手(リスク管理部門)の視点から理解する
使い手(融資部門)の視点から理解する)
第3部 スコアリングモデルの使い方(与信ポートフォリオ管理を理解する;審査での使い方を考える;営業での使い方を考える)
第4部 スコアリングモデルの最新技術(最新技術の紹介)
著者等紹介
尾木研三[オギケンゾウ]
株式会社日本政策金融公庫国民生活事業本部リスク管理部リスク管理企画グループリーダー。1988年国民金融公庫(現・日本政策金融公庫)入庫。支店勤務を経て、94年総合研究所。9年間にわたり中小企業の経営問題や構造問題に関する調査研究に携わる。2003年総務部企画室、04年総合企画部。08年国民生活事業本部リスク管理部。法人企業、個人企業、創業企業、教育ローンのデフォルト確率や事業資金のデフォルト後の回収率を推定するスコアリングモデルの開発や信用リスク計測などを行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
74
中小企業向けの融資に関する様々なリスク管理の仕方を今までのデータを使用してどのように管理していくかを明示してくれています。著者は国民金融公庫時代からその業務に携わってきたということで、マクロのデータをどのように利用すべきかを説明してくれています。これは定量的な分析なので、もう少し定性的な分析の仕方を他の書物で補っていくことが必要だと思います。2019/03/31
cochou
1
統計に詳しくない人でも直感的にわかりやすい説明が多いです。また、実務家の視点から的確なコメントが並んでいます。バーゼル規制の信用リスクモデルの説明もあっていいですね。2022/03/17
ユータス
1
金融機関が内部格付け制度に用いている信用スコアリングモデルについて解説した本。本書は、著者がスコアリングモデルの“取扱説明書”と呼ぶとおり、とても分かりやすく且つ具体的にスコアリングモデルの仕組みや使い方が書かれており、スコアリングモデルの限界や課題がよく分かった。最近はAI技術による審査の高度化がFinTechの一つとして話題になっているが、AIを活用するかどうかを議論する前にまずはこの本を読むことで地に足の着いた議論になると思う。読み切るのも大変じゃないし参考文献も豊富なので、一冊目におすすめです。2019/09/10
としゆき
1
予想損失はリスク対応金利でカバー。予想外損失は自己資本でカバー。ポートフォリオを上手く管理できれば、予想外損失の99%VAR値を低くできるので、レバレッジを効かせることができる。(資金需要不足で預貸率も低い現象ではあまり意味はないかも)経営者保証に依存しない融資が推進される中、今後はデフォルト確率だけでなく回収率の予測モデルの精緻化が重要となる。2017/08/23
yuki
1
非常に役に立つ。2017/07/17