内容説明
戦前の判例も含む信託法に関連する主要判例27について、信託法の議論の時間軸・信託関連訴訟の類型もふまえ詳細検討。約150もの関連判例を引用・参照。旧信託法下の判例についても、旧法信託のみならず新法信託における実務対応にも言及。年金問題等を契機として注目される年金信託における助言義務・アセットミックス遵守義務、公有地信託を巡る受託者の義務と受益権放棄、過払金返還請求権と不当利得との関係等、信託に関する重要論点を含む最新の裁判例も多数掲載。判例から信託を語る―「生ける信託法」を伝える1冊。
目次
1 信託の成立と信託財産(預金の帰属と信託;遺言信託における受託者の裁量権 ほか)
2 受託者の地位(信託の本旨に反する委託者の意思表示と受託者の義務;公有地信託における受託者の管理失当の有無 ほか)
3 受益者(集団信託における受益者の書類閲覧請求権と受託者の公平義務;公有地信託における受益者に対する費用補償請求権 ほか)
4 信託と貸付取引等(信託受益権担保貸付の可否;信託終了後における信託銀行による貸付債権と金銭信託受益者の元本等引渡し請求権の相殺の可否 ほか)
5 信託関係の対外的効力(信託型不動産小口化商品における敷金返還義務を含む賃貸人の地位の承継;過払金が生じている貸金債権の信託譲渡を受けた受託者の不当利得返還義務の有無)