内容説明
貸出業務に携わる人の矜持とは何か。銀行は企業から信頼される貸出業務を誠実に行っていますか。メーカーにおける品質管理の思想は銀行にも必要ではないでしょうか。
目次
第1部 現実を直視して考える―不愉快な事実と不都合な真実(貸出業務をめぐる環境変化;貸出業務とは;堕ちた担当者のレベル;恥ずかしい行為;金利競争)
第2部 真っ当な貸出業務の考え方―誠実に王道を歩むために(貸出業務の基本;貸出業務の要諦;貸出判断の基準;貸出業務とコンプライアンス経営)
第3部 真っ当な貸出業務を行う―意識改革と行動改革(貸出担当者が歩む王道;経営が宣言すべきこと;審査部の役割;貸出担当者の育成)
著者等紹介
吉田重雄[ヨシダシゲオ]
1950年東京生まれ。1973年早稲田大学政治経済学部卒業、同年三菱銀行入行。板橋支店長、融資第一部次長、融資第二部次長、仙台支店長、秋葉原支店長を経て、2001年6月東京三菱銀行を退職。現在は株式会社日本国債清算機関で常勤監査役を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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akihirok
1
金融機関に勤務しているものの、「貸出」セクションが王道ではない一風かわった組織に属しているからこそ気になった一冊。担当者の財務分析や法律知識の不足や、金融機関に横行しているコンプライアンス上の問題点を指摘している。読後、自分の組織のホワイトさを実感するとともに、自分の問題意識の低さを感じざるを得なかった。特に法律的な背景は理解できていないので、取約や銀行法を読んでみる。ところどころ金融の歴史にも触れており勉強になった。2013/04/21
koji
1
改めて「銀行審査とは何か」を考えたいと思い手に取りました。第12章「審査部の役割」です。その矜持はとても参考になりました。総じて正論ですし、私もそう心がけています。しかし、疑問に思う箇所があります。第7章第4節「逃げ足が速いという批判」には「エッ」です。筆者の現役支店長時代に使った「他行による被肩代わり」(万が一に倒産した場合、引当がフルカバーでないため実損を被る可能性がある貸出金を他行に片代わってもらう手法)への卑怯・ずるいという感情を批判します。でもこれは卑怯ですよね。目がテン!になりました。2013/03/31