出版社内容情報
【上巻】目次◇
はしがき
監修者および企画・執筆者一覧
利用の手引き
第1章◇融資の基本を逸脱したケース
1 金融機関の融資担当者が行った、融資実行の可能性に係る回答について、第三者から不法行為に基づく損害賠償請求がなされた…
2 金融機関が、資金使途の反社会性を見過ごして融資を行った…
3 長期延滞中の住宅ローンの回収交渉が緩慢で、担保物件価額の下落を許し、ロスが拡大した…
4 長期延滞中の住宅ローンの回収交渉が緩慢で担保物件の下落を許し、ロスが拡大した…
5 業界に悪い噂のあることを知りながら、対策をとらなかったため、結果的に貸出ロスが発生した…
6 破綻した準主力行の資金を乗り換え、主力行が消極姿勢にもかかわらず追加融資にも応じ、結果として分類債権・要管理債権が拡大してしまった…
7 有力紹介者に依存した取引開始と、業況のフォローアップ不足により不良債権が発生した…
8 地場の有力企業として、資金使途を軽視して融資を取り上げた…
9 十分な信用調査をせずに担保力に依存して融資を取り上げ、結果として担保価値下落によりロスが発生した…
10 破綻懸念先に対して不足資金を追加融資し、そのうち一部が、返済に不安ありとしてⅢ分類となってしまった…
11 根抵当権設定者から、極度額欄が未記入の根抵当権設定契約書に署名させられたと主張され、根抵当権の減額を求められた…
12 農地法申請のため融資証明を発行したが、担保条件等に問題があって融資を謝絶した。のちに、契約解除に伴う手付金相当額の損害賠償を求められた…
13 見積書の内容が水増しされていた点を看過して融資を実行したため、融資金が流用され、担保不足の状態に陥っている…
14 長期間にわたって粉飾決算が行われ、簿外借入れ、架空売上げ、空在庫などが大量に発覚した…
第2章◇取引相手方の適格性に問題があったケース
15 借名取引であることを知りながら融資を実行し、後に名義人から債務否認された…
16 妻が夫の代理人と称して夫名義で融資を受け、後に名義人から債務否認された…
17 面談した担保提供者兼保証人は妻になりすました別人であり、妻両親の担保提供兼保証は代筆により偽装されていた…
18 学校法人との融資取引で、一部の理事から借入れ否認の意思表示があった…
19 高齢者に対する融資実行後、当該債務者の痴呆症状を理由に、関係者から債務の否認を受けた…
第3章◇資産使途や返済引当の確認等が不十分なケース
20 増加運転資金の申込みが、実態は赤字資金であった…
21 設立後間もない企業へ資金使途の確認等が不十分なまま事業資金を融資した…
22 設備資金の妥当性の検討と資金支払状況の確認が不十分で、他の資金への流用を看過した…
23 つなぎ資金トレースが不十分で、返済引当金が他に流用された…
24 市会議員の子息の大学入学資金を融資したが、それを選挙資金に流用され、その後議員本人が選挙違反で逮捕されたために、融資が延滞している…
第4章◇財務内容の不健全性を看過したケース
25 売上げの伸びに比べ粗利益の伸びがアンバランスな点を見逃した…
26 業歴に比べ内部留保が少ない原因を追求せず、収益力不足を見逃してしまった…
27 財務内容の長期分析をせず、資産の不良化発見が遅れた…
28 資金繰り表の分析が表面的で、資金不足の真の原因追及がおろそかになった…
29 借入増加要因の分析が不十分で、赤字補てん資金の存在に気づかなかった…
30 売上規模に比べ借入額が過大である原因の分析が不十分であった…
31 売上債権の回転期間長期化を看過し、不良債権の発見が遅れてしまった…
32 雑資産の内容、増加原因を分析せず実質債務超過状態を見逃した…
33 経常収支比率が実質で100%以下であった点を看過し、資金繰りの悪化に気づかなかった…
34 簿外借入れの潜在を見落とし、営業利益と支払金利のアンバランスを看過し、過大借入れを放置した…
35 関係会社との取引内容の把握を怠り、資金の停滞、簿外債務の発生に気づかなかった…
36 キャッシュフロー分析を怠り、取引先の資金繰りを看過したため、再生手続の申立ての動きを事前にキャッチできなかった…
37 取引先の民事再生手続申立ての動きを事前に察知できなかった…
第5章◇経営者の姿勢に問題があったケース
38 経営者の言動に信用がおけず、担保を頼りに融資を取り上げた… 39 経営が売上規模拡大に偏り、利益確保に目が行っていない… 40 商売が一つまたは限られた分野にとどまり、発展性、安全性に懸念がある…
41 ワンマン経営者を補佐する人材が不足しており、将来性に不安がある…
42 販売先へ振り出した手形が時々決済に回ってくる…
43 財務内容の分析が不十分で、未収金・仮払金・長短貸付金等の内容が把握できず、利益操作・粉飾を看過した――業種や業態に見合った運用・調達の妥当性チェックを怠り、経営悪化の実態把握が遅れてしまった…
44 取引要因の不明瞭な手形の割引依頼があったが、その原因追及をしなかった…
45 ベンチャー企業へ、公的支援の決定もあり融資を実行したが、経営者の事業計画の過信により予定どおりの製品が完成せず、事業計画が破綻した…
第6章◇融資セールスに失敗したケース
46 新規勧誘先へ潜在需要を掘り起こすために提案型融資セールスを実施したが、そのプロジェクトが失敗し、責任を追及された…
47 利益圧縮手段として償却資産の取得を勧め、その資金を融資したが、所期の目的が果たせず失敗した…
48 要注意先へ財務内容改善資金として長期資金を融資したが、体質不良度合い判定の甘さと、利益見通しの誤りから、結果的に分類額を増やすこととなった…
49 実態把握不十分なまま他行債務を肩代りして事故債権となった…
50 企業の実態把握が不十分のまま他行債務を肩代りし、まもなく事故債権となってしまった…
51 住宅ローンの肩代りを実行したが、ほどなく延滞債権となった…
52 事業意欲旺盛な取引先に、業績不振先の保有していた遊休土地を紹介したところ、賃貸ビル建設プロジェクトが持ち上がり、当行は所要資金を融資した。その後、当該プロジェクトの採算が悪化したため、その取引先の業績も不振となったが、取引先は「銀行の不良債権の担保処理のため不良物件を押し付けられた」と言いふらしている…
53 有利な金利を武器にホテル建築資金融資を他行から肩代りし、メインバンクとなったが、結果的に信用リスクが増大し貸倒引当て増加となった…
54 不動産担保評価法の誤りにより損失が発生した…
55 親子2人を連帯債務者とした貸金で、親の死亡後も連帯債務者である子から約定どおりの返済を受けていたが、その子が自己破産を申し立てたことから他の相続人に返済を請求しようとしたところ、逆に(消滅)時効の主張をされた…
内容説明
生きた事例に学ぶ融資実務の全ノウハウ。融資の取上げから担保・保証、回収まで不良債権化しないためのポイント、事後対策を満載。
目次
第1章 融資の基本を逸脱したケース
第2章 取引相手方の適格性に問題があったケース
第3章 資産使途や返済引当の確認等が不十分なケース
第4章 財務内容の不健全性を看過したケース
第5章 経営者の姿勢に問題があったケース
第6章 融資セールスに失敗したケース
著者等紹介
前田庸[マエダヒトシ]
学習院大学教授
上野隆司[ウエノタカシ]
弁護士
石井真司[イシイシンジ]
第一勧業銀行
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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