出版社内容情報
本書『プライバシー保護機械学習』は、プライバシーに配慮しながら機械学習に取り組むための実践的なガイドブックです。
機械学習が社会実装されていく中で、さまざまな人々のパーソナルデータの活用には大きな期待が寄せられています。一方、パーソナルデータには他人に知られたくないセンシティブな情報が含まれることもあり、プライバシーへの配慮が求められています。プライバシー保護機械学習 (PPML) は、データのプライバシー保護と、機械学習モデルの有用性、の両立を図る研究領域であり、2010年代以降、北米を中心として社会実装が進められてきました。
本書では、PPMLの基礎知識から応用まで、幅広く取り扱います。近年の中心的技術である差分プライバシーをはじめとして、圧縮プライバシーやk-匿名化などの古典的なプライバシー保護技術についても解説します。また、これらのプライバシー保護技術の機械学習への統合に関して、ロジスティック回帰などの基礎的なもの、合成データの生成方法、データプラットフォームの構築方法といった実践的なユースケースを交えて紹介します。
本書の特長は、PPMLの基本的・実践的な手法をコード例 (Python) とともに学べる点です。そのため、プライバシーをどう保護するかの実践的スキルをステップバイステップで身につけることができます。先端的な研究に興味のある方だけでなく、産業界での適用に興味のある機械学習エンジニアやソフトウェア開発者にも有益な内容となっています。
[原著]Privacy-Preserving Machine Learning, Manning Publications, 2023