出版社内容情報
現代社会において、人間の行動は、人間が意図して記録せずとも、自動的にサイバー空間にデータ化される。たとえば、インターネット上での行動の履歴、カメラに記録された表情や身体の動き、さらには心拍数や脳波など外に現れない人間行動の背後に存在するデータまでもが、簡単で安価な装置によって、電子的に記録されるようになった。これらの自動的に記録される膨大なデータを情報技術の力を用いて分析することで、人間と機械の関係を理解し、我々が望む方向へ行動を変化させていくことができる。
行動情報学は、人間や情報に関する伝統的な知識と、最近のビッグデータが可能とした自動的な行動データの処理とを統合する分野として描き出すことができる。
本書では、次の三つの分野から人間行動と情報処理の関係についてアプローチし、これらを融合することで織りなされる行動情報学の理論を示すことを目指す。
・情報システム:人間の行動をシステマティックに変容させる方法
・データサイエンス:人間行動をデータ化し価値に変換する技術
・マネジメント:人間行動に関するデータと情報を武器に、現実の組織や社会を変革する営み
また、このような行動情報学の観点から、変化し続けていく時代の中で、主体的に目的を持って生きていくための方法についても述べる。
目次
第1部 人間と機械の情報処理(行動情報学へ至る歴史;行動情報のアルゴリズム)
第2部 行動情報のシステム(人間の行動特性と調和する情報システム;人間行動のモデリングに基づく情報システムの設計;人間から学ぶ情報システム)
第3部 行動情報学とデータサイエンス(行動情報学とデータサイエンス;人間行動とコミュニケーションのデータサイエンス;人間行動と集団のデータサイエンス;人間行動と社会のデータサイエンス)
第4部 行動情報学とマネジメント(マネジメント視点で見る行動情報学;行動情報学による商品開発;行動情報学によるネットワーク組織のマネジメント;行動情報学から捉えるイノベーション)
著者等紹介
森田純哉[モリタジュンヤ]
2006年名古屋大学大学院人間情報学研究科にて博士(学術)を取得。現在、静岡大学情報学部行動情報学科教授。専門:認知科学、ヒューマンインタフェース、知能情報学
永吉実武[ナガヨシサネタケ]
2010年東京工業大学大学院社会理工学研究科にて博士(学術)を取得。現在、静岡大学情報学部行動情報学科教授。専門:経営学
金鎭赫[キンチンカク]
2014年東京大学大学院教育学研究科にて博士(教育学)を取得。現在、静岡大学情報学部行動情報学科准教授。専門:健康情報学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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