出版社内容情報
本書は、SQLによるデータ管理の基本機能とデータ分析等の拡張機能、およびビッグデータ時代における仮説解釈の基本概念とそのための基本技術を解説する。
現代の情報システム、特にビッグデータを用いる情報システムは、データ管理とデータ分析という異なるサブシステム(デジタルエコシステム)からできている。この事実を前提に、データ管理を超えるSQLの新しい側面(機能と応用)、すなわちモダンSQLを紹介し、進化するSQLの姿、あるいはSQLの真の姿を伝える。また、ビッグデータ時代における仮説生成と仮説解釈の基本概念とそのために必要となる基本技術についても具体的に解説し、前著『仮説のつくりかた』(2021年・共立出版)を補完する。
具体的には、仮説の生成・解釈の基本概念を導入したあと、SQLによるデータ管理(操作)の基本機能と、データ分析やNoSQL機能といった拡張機能について解説する。さらに、実践的なSQLの分析機能の解説や、月惑星科学を題材に、科学データがSQLで管理されている実例を紹介する。そのほか、SQLが仮説の生成だけでなく、仮説の解釈説明にも有用であることを示すと同時に、SQL以外の方法による仮説説明の技術についてその概要を説明し、またSQLを支えるデータベースの設計、実装、運用についても説明する。
SQLとそれを利用したデータ処理・データ分析を学びたい学生や、製造・販売や研究開発現場の分野専門家、SQLを通してデータ分析を学びたいデータエンジニア、SQLを通してデータ処理を学びたいデータサイエンティストに読んでいただきたい一書である。
目次
第1章 ビッグデータと仮説
第2章 データベースの基本概念とデータモデル
第3章 SQLの機能1
第4章 SQLの機能2
第5章 多次元データの分析
第6章 関係性を探る
第7章 系列データの分析
第8章 惑星探査データとSQL
第9章 クラウドコンピューティングの利用
第10章 データベースの設計と実現
第11章 データベースの運用
第12章 解釈説明
著者等紹介
石川博[イシカワヒロシ]
1979年東京大学理学部情報科学科卒業。現在、東京都立大学大学院システムデザイン研究科特別先導教授、名誉教授、博士(理学)。文部科学大臣表彰(科学技術賞2021)、日本データベース学会(功労賞2022)、情報処理学会フェロー、電子情報通信学会フェロー。専門:データベース、データマイニング、人工知能、ビッグデータ
土田正士[ツチダマサシ]
1983年筑波大学大学院理工学研究科理工学専攻修了。現在、東京都立大学システムデザイン学部客員研究員、博士(情報学)。ISO/IEC JTC1/SC32日本代表、情報処理学会情報規格調査会SC32専門委員会委員長、情報処理学会フェロー。専門:データ工学、データベース言語
遠藤雅樹[エンドウマサキ]
2000年職業能力開発総合大学校長期課程電子工学科卒業。現在、職業能力開発総合大学校能力開発院基盤ものづくり系/情報通信ユニット、能力開発基礎系/技能DXユニット、新成長分野系/ラーニング・ファクトリーユニット准教授、東京都立大学客員准教授、博士(工学)。専門:データ工学、Webサービス、クラウドコンピューティング
山本幸生[ヤマモトユキオ]
2002年東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻修了。現在、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所准教授、博士(理学)。国際惑星データ連合(IPDA)議長。専門:惑星探査、地上データ処理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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