出版社内容情報
高水準プログラミング言語の基礎理論を型付きラムダ計算を用いて詳細に解説。これら基礎理論の学習を通じて,関数型プログラミング言語の動作やその型システムの原理,さらに,多相型,型推論,継続計算,レコード計算などを含むプログラミング言語の種々の高度な機能の基礎を習得できる。『情報数学講座9 プログラミング言語の基礎理論』として1997年初版発行後,以来,長年にわたり多数の読者にご愛読いただいてまいりました。この度,多くの読者からの要望を受け単行本に改装し発行するものです。
目次
第1章 プログラミング言語のモデル
第2章 型付きラムダ計算
第3章 型付きラムダ計算の拡張
第4章 型推論システム
第5章 多相型言語のモデル
第6章 レコード計算系の理論
著者等紹介
大堀淳[オオホリアツシ]
1957年生まれ。1981年東京大学文学部哲学科卒業。1989年ペンシルバニア大学大学院計算機・情報科学科博士課程修了。1981年沖電気工業株式会社勤務。1993年京都大学数理解析研究所助教授。2000年北陸先端科学技術大学院大学教授。2005年東北大学電気通信研究所教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
6
1997年に刊行された 情報数学講座9の新装版。第1章から。〈実際に計算機で実行可能な計算の最も直接的なモデルはvon Neuman型のコンピュータそのもの〉。だが、高水準プログラミング言語が表現する計算のモデルとしては相応しくない。一方、数学や論理学で採用されている諸概念は当然計算機向きではない。数学の場合、入力に対してすぐ出力が得られない関数も扱う。プログラみんくに有用なモデルは、(型付き)ラムダ計算である。用語 BNF文法。「メタ変数」を定める。定義する言語の要素を代表する変数。2019/12/17
水紗枝荒葉
0
型付きラムダ計算を使って型理論を紹介する本。プログラミング言語MLの多相型・型推論の解説(第5章)が目標。個人的には、MLからはみ出て理論的にも座りの悪そうな参照型(C言語の*intなど、§3.5)やオブジェクト指向(第6章)の型理論に惹かれた。ゴリゴリの理論書なので記号論理学やラムダ計算に慣れていないと読むのは難しい。また網羅的だが証明の難しいところ(≒非自明で面白いところ)をたまに飛ばすので、納得感に欠けるきらいがある。他書を一通り読んだ後に辞書として使うのがよさそう。2025/04/19