出版社内容情報
本書は、複雑化する現代社会におけるデータ活用の課題に応える、新しい時系列解析の方法を紹介する 1 冊です。従来のリニア・ガウス型モデルは扱いやすい反面、複雑な現象には対応しきれず、一方でノンリニア・ノンガウス型モデルは高度な技術とコストを要してきました。本書で提案する「移動線形モデル(MLモデル)」は、この 2 つの長所を活かしながらシンプルさと柔軟性を兼ね備えたアプローチです。観測データと事前情報を効果的に組み合わせ、ビッグデータ時代にふさわしい効率的で実用的な解析を可能にします。内容は全 10 章で構成され、基礎的な統計解析や状態空間モデルの整理から始まり、MLモデルの理論と実装、さらに季節調整、異常値検出、景気分析や動的相関関係の解明など幅広い応用を網羅。豊富な実例やRプログラムも掲載されており、読者は理論の理解だけでなく、実際にデータ解析を体験することができます。使用データやコードはサポートサイトから入手可能で、研究者はもちろん、実務家や学生にとっても大いに役立つ内容となっています。時系列解析の基礎から応用までを 1 冊でカバーし、現代的課題に応えるMLモデルの魅力をわかりやすく伝える本書は、学習と実践の両面で力強い味方となるでしょう。
【目次】
第 1 章 本書の動機付けと準備
1.1 問題の提起
1.1.1 長期的な成長と短期的な変動
1.1.2 古典的循環と成長循環
1.2 時系列データとその操作
1.2.1 時系列データ
1.2.2 時系列の定常性
1.2.3 オブジェクトへの変換
1.2.4 データの図示
1.2.5 ラグの処理
1.3 時系列データの実用的な処理方法
1.3.1 差分
1.3.2 変化率
1.3.3 前年同期比
1.3.4 移動平均
1.4 まとめ
第 2 章 ベイズ統計解析の基本
2.1 統計解析の基本
2.1.1 統計モデル
2.1.2 K-L 情報量と対数尤度
2.1.3 最尤法
2.1.4 赤池の情報量規準(AIC)
2.2 ベイズ統計解析
2.2.1 ベイズ型統計モデル
2.2.2 事前分布の設定と利用
2.2.3 事前分布の選択
2.2.4 超パラメータの推定
2.3 事後分布による統計解析
2.3.1 事後分布の周辺分布
2.3.2 予測分布
2.4 データの変換
2.5 正規分布に基づく統計解析の事例
2.5.1 最尤推定
2.5.2 ベイズ的推測
2.6 まとめ
第 3 章 定常時系列データ解析
3.1 自己回帰移動平均モデル
3.2 自己回帰モデルとその応用
3.2.1 自己回帰モデル
3.2.2 自己共分散関数
3.2.3 パワースペクトル
3.2.4 偏自己相関係数
3.3 応用例
3.3.1 ARMAモデルのパラメータ推定
3.3.2 ARモデルのパラメータ推定と使い方
3.4 まとめ
3.5 プログラム
3.5.1 ARMAモデル推定のプログラム
3.5.2 ARモデル推定のプログラム
第 4 章 状態空間モデル
4.1 状態空間モデル
4.1.1 状態空間モデルの一般的表現
4.1.2 状態の推定
4.1.3 パラメータの推定
4.2 時系列の成分分解
4.2.1 成分分解モデル
4.2.2 成分分解モデルの状態空間表現
4.2.3 成分分解モデルの簡略形
4.2.4 パラメータの推定とモデルの特定
4.3 応用例
4.3.1 鉱工業生産指数データの成分分解
4.3.2
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- 和書
- 大のこころが人を育てる



