出版社内容情報
小標本でも分布に依存しないノンパラメトリック法が載せられている日本の多くの統計書には、一様性の検定法のみが述べられている。米国の研究者が書いたノンパラメトリック法の洋書には、多重比較としていくつかのシングルステップ(一段階)法のみが記述されている。本書では、通常記述されている一様性の検定法以外に、順位に基づくロバスト(頑健な)点推定、信頼領域、様々なシングルステップの多重比較検定、より検出力の高いマルチステップ(多段階)の多重比較検定である閉検定手順、同時信頼区間についても論述している。本書において、紹介するノンパラメトリック法は外れ値と分布のくずれに関するロバスト性を持っていることを解説する。
ポアソンモデル、指数分布モデル、ベルヌーイモデルの統計解析法は重要であるにも関わらずこれまで数少ない方法しか紹介されていない。特に、ポアソン分布と指数分布は線形計画法にも用いられている。本書では、ノンパラメトリック法の理論と同様にして、それらのモデルの下での多くの統計解析法を解説する。さらに、2元配置モデルにおける位置母数と2次元正規分布モデルにおける相関係数の多重比較法を論述する。ゲートキーピング法は米国の生物統計学者によって研究開発されたが、ボンフェローニに基づく検出力の低い方法しか提案されていない。
本書の最後の第12章に、第11章までに述べたすべての手法を取り込む検出力の高いゲートキーピング法を論じている。
目次
基礎となる確率分布、情報量、漸近性
1標本問題
2標本問題
分散分析法に対応する方法
すべての母数相違に関する多重比較法
対照標本の平均との相違に関する多重比較法
すべての平均と独立性に関する多重比較法
平均母数に順序制約がある場合の多重比較法
多次元多標本モデルにおけるゲートキーピング法
関連した1つの母数をもつ分布の下での手法
関連した正規分布の下での手法
関連したパラメトリック法も取り込むゲートキーピング法
付録A 数学的基礎理論
付録B 統計量の分布の上側100α%点の数表
著者等紹介
白石高章[シライシタカアキ]
1955年福岡県に生まれる。現在、南山大学理工学部教授・理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。