出版社内容情報
本書は、可換環論を用いて特異点論を解説すること、及び、代数幾何的な対象を通じて可換環論に饒かな研究対象をもたらすことを目的とした書籍である。
特異点論は、代数幾何学の局所理論であると同時に、可換環論の局所理論でもある。
代数幾何学で或る対象を記述することは、多くの場合にあまり容易ではないが、ひとたび代数的な表現で記述ができると、可換環論を用いることによって種々の性質を精確に表現できる。一方、可換環論はそれ単体で多くの例を与えることは難しいが、代数幾何的な手法を導入することで、立ち所に非常に多くの例をもたらすことが出来るようになる。
特異点論の研究には、多分野からのアプローチ方法があるが、本書では特に「可換環論と代数幾何を組み合わせた手法」を基軸とし、次元付き環論や圏論・層論などといった必要な知識も随時導入しながら詳しく解説する。
目次
第1章 特異点論のための代数幾何入門
第2章 交点理論
第3章 正規次数付き環と正規射影多様体
第4章 曲線の特異点
第5章 2次元正規特異点
第6章 高次元の特異点、有理特異点
付録A 圏論入門
付録B 層論の基礎と層コホモロジー
付録C 位相空間論から
付録D 可換環論のまとめ
著者等紹介
渡辺敬一[ワタナベケイイチ]
1969年東京大学理学系研究科修士課程修了。東京都立大学助手、名古屋工業大学助教授、東海大学理学部教授、日本大学文理学部教授を歴任。理学博士。専攻:可換環論、代数幾何学
日高文夫[ヒダカフミオ]
1981年早稲田大学理工学研究科数学専攻博士後期課程単位取得退学。元専修大学北海道短期大学教授。理工学修士。専攻:代数幾何学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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