出版社内容情報
本書は数学ソフトウェアを開発するために知っておいて欲しい事柄を書籍としてまとめたものである.開発する数学ソフトウェアとしては,独自言語を持ち,またライブラリとしても利用可能で,C言語やその派生言語などを核として開発されているようなものを想定している.
まず,実際のアプリケーションの実装への対応を念頭に,一歩進んだC言語の解説を行う.次に,多項式電卓およびグレブナー基底の計算システムを例題として,数学ソフトウェアの核の部分の作成を解説する.さらに,多くのシステムへの移植性(ポータビリティ)を得るために使われるautomakeなどのツールの使い方や,yacc, GMP, Boehm GCといった多くの数学ソフトウェアで利用されているツールやライブラリについても触れる.最後に,Emscriptenを用いたWebAssemblyへの変換など,C言語で制作したソフトウェアのウェブアプリへの移植を解説する.
著者は皆,計算代数システムRisa/Asirなど数学ソフトウェアの開発に現在まで携わってきている.本書にはその経験が随所にちりばめられており,この上ない解説書となっている.
内容説明
20世紀後半から爆発的に進展したコンピュータと数学の関係。その中から、分野によらない内容や新しい方向性を中心として構成。
目次
第1章 C言語再論(準備;なぜC言語 ほか)
第2章 多項式の処理と例題システム(多項式の計算機上での表現方法;多項式環 ほか)
第3章 ツール、ビルドシステム、ライブラリ(シェル;make ほか)
第4章 Webプラットフォームへの対応(仮想マシン;WSL2環境のインストール ほか)
著者等紹介
高山信毅[タカヤマノブキ]
1959年福井県に生まれる。1986年東京大学大学院理学系研究科博士課程中退。現在、神戸大学理学部教授、博士(理学)。専門、多変数超幾何関数、計算代数、数学ソフトウェア
野呂正行[ノロマサユキ]
1960年北海道に生まれる。1985年東京大学大学院理学系研究科修士課程数学専攻修了。現在、立教大学理学部教授。博士(工学)。専門、計算代数、数学ソフトウェア
小原功任[オハラカツヨシ]
1970年和歌山県に生まれる。1998年神戸大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了。現在、金沢大学理工研究域教授、博士(理学)。専門、多変数超幾何関数、数式処理、数学ソフトウェア
藤本光史[フジモトミツシ]
1968年石川県に生まれる。1993年九州大学大学院工学研究科修士課程修了(応用物理学専攻)。現在、福岡教育大学教育学部教授、博士(数理学)。専門、数式処理、数学ソフトウェア、数学教育におけるコンピュータの応用(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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