出版社内容情報
最適化問題とは、「ある場所をスタートし、指定されたすべての場所を通って再び戻る最短時間はどうなるか」といった、いくつかの制約の下である種の目的尺度を最小化(あるいは最大化)する問題である。本書はその最適化問題に関して具体的な例の計算を取り扱いながら、主に線形最適化と組合せ最適化という二つの主題を中心に解説していく。
前半では線形最適化の基本理論を最小限の数学用語を用いて与え、また、十文字法と単体法という線形最適化に対する二つのアルゴリズムを、その有限終了性の議論を含めて与える。後半では、まずクラスP、NP、co-NPおよびNP完全という計算量理論の概念を議論し、それぞれのクラスに属する組合せ最適化問題を扱う。さらに非線形最適化の技法にも触れ、最後には本書の解説でも使用されるフリーソフトウエアLP_solveの利用例にも触れる。最適化を学びたい多くの人にとって大変有用な書籍となろう。
目次
線形最適化の紹介
線形計画問題の基礎
アルゴリズム
線形計画問題:発展
組合せ最適化と計算量
多項式可解問題
しらみつぶし探索と分枝限定法
板取り問題と列生成
近似アルゴリズム
線形計画問題に対する内点法
フリーソフトウエアを使ってみよう
著者等紹介
福田公明[フクダコウメイ]
1982年カナダウォータールー大学大学院博士課程修了、Ph.D.(Mathematics)。現在、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)名誉教授。専門は最適化、計算幾何学、マトロイド理論
田村明久[タムラアキヒサ]
1989年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了、理学博士。現在、慶應義塾大学理工学部数理科学科教授。専門は離散最適化、数理最適化、アルゴリズム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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