出版社内容情報
「数学の進展」と「人の理解」について深い洞察を遺したウィリアム・サーストン。その感性を通して見た数学の魅力を伝える珠玉の書。
内容説明
1982年にフィールズ賞を受賞し幾何学に大きな足跡を残したW.P.サーストン(1946~2012)。サーストンは自らが提唱した幾何化予想を万華鏡にたとえた。色を8種類の幾何構造、細片を多様体のピース、鏡映模様を幾何学的ピースに分解された3次元多様体に―万華鏡をひと振りするたびに新しい多様体が生まれる。本書は、サーストンが描いた数学の世界への招待状である。
目次
1部 数学者ウィリアム・サーストン(サーストン小史)
2部 考えること、理解すること、伝えること(サーストンの数学観を読み解く;サーストンの柔軟思考)
3部 数学を表現すること(サーストンの講義録との出会い;サーストンはパリコレといかに関わったか)
4部 数学の種はそこに―サーストンが他分野を見ると(2分木;ロジー・サーストンの数系;複素双曲格子理論)
5部 サーストンが遺したもの(Eightfold way;想像を超えた知的体験―再現・サーストン博士インタビュー;サーストン先生の回想)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やす
7
最初の2章のみ、3章で挫折し動機を失う。2章ではサーストンが数学は証明よりもコミュニケーションが大事であって数学を営む集団を存続させていくことが最も重要と考えていたようだ。序文に門外漢にもサーストンを知ってほしいという動機が書かれているが、編者による3章は四面体の角を落として膨らまし、元の辺の部分にカットしたチーズケーキをくっつけてまでは良かったが、その結果得られる図形の説明で挫折。2025/01/14
こたろう
2
フィールズ賞受賞者のサーストンの数学への考え方や活動の仕方、研究内容について書かれた本。半分は、数学の専門知識がなくても読める。半分は、専門知識がないと、難しすぎる内容。一流の研究者であったと共に、数学の発展や、数学者育成にまで気を配っていたということが、垣間見れた。今まで、ポアンカレ予想の本を読むときに、必ず名前が出てたけど、サーストン自身については詳しく知らなかったので、とても面白かった。2章と11章だけでも読んでみて欲しい。2020/11/24
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