出版社内容情報
時系列解析の研究は,当初は時系列を確率過程からの標本とみなし,さまざまな時系列統計量の標本分布を導出することをメイン・テーマとして,理論的な研究が積み重ねられていた。しかし,近年のコンピュータの進展の中で,時系列データを比較的容易に分析できる環境が整い始め,それまでの時系列解析のフレームワークでは捉えられない諸現象に対して,新たな理論や方法が提案され,実際の分析も盛んに行われてきている。
本書は,時系列解析の統計理論に関して,中級から上級レベルのトピックスを中心に,いくつかの比較的新しいトピックも含めて解説した書籍である。はじめに,離散および連続時間確率過程の基礎理論を述べる。次に,非定常時系列統計量の分布の特性関数の導出や,分布関数の数値計算を解説する。後半では,単位根問題,共和分分析,長期記憶過程の統計的推測などの近年の話題を解説する。
目次
離散時間確率過程
連続時間確率過程
確率過程の分布収束
特性関数の導出
数値積分による分布計算
AR単位根時系列の分析
さまざまな単位根検定
共和分分析
長期記憶時系列モデル
fBmとfO‐U過程の統計的推測
著者等紹介
田中勝人[タナカカツト]
1973年一橋大学経済学部卒業。1979年オーストラリア国立大学大学院統計学科修了。同年金沢大学法文学部講師。1981年金沢大学経済学部助教授。1984年一橋大学経済学部助教授。1990年一橋大学経済学部教授。現在、学習院大学経済学部教授。一橋大学名誉教授。Ph.D.(統計学)。専攻は統計学、計量経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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