出版社内容情報
ノンパラメトリック推定は、推定対象とするモデル(分布や関数)に対して制約を置くことなく推定する方法で、とくに1960年代以降に盛んに研究が行われている。とりわけ、滑らかな密度関数の推定法である「カーネル型推定」は、1980年代以降に漸近理論の研究が深化したことで統計的リサンプリング法への活用が盛んとなり、また同時期にコンピュータの性能が飛躍的に向上したことにより、ノンパラメトリック法の代表的な推定手法として定着してきている。
本書では、カーネル型推定量を利用した分布関数の統計的推測の応用と、推測の改善を中心に解説する。
第1章では、密度関数推定量とそれに関連する推定量の漸近的な性質を議論する。第2章では、分布関数推定量の漸近的な性質を議論する。第3章では、分位点推定や順位検定の連続化といった統計的推測への応用について議論し、統計量の漸近的性質を解説する。第4章では、密度関数のオーダーが実数全体でないときに生じる「境界バイアス問題」について、データ変換により改良する手法とその有効性を議論し、シミュレーションで検証する。
目次
第1章 密度関数の推定(ヒストグラム;カーネル型推定;バイアスの縮小;多次元密度関数の推定)
第2章 分布関数の推定とエッジワース展開(分布関数推定量)
第3章 統計的推測への応用(ノンパラメトリック回帰;順位検定の連続化;密度比の推定)
第4章 境界バイアス(非対称カーネルによる境界バイアスの改善;データの変換による改善)
著者等紹介
前園宜彦[マエソノヨシヒコ]
1956年鹿児島県生まれ。現在、中央大学理工学部教授。九州大学名誉教授。理学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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