出版社内容情報
線形代数で学ぶ行列や連立1次方程式の理論や計算は,理工系分野に限らず経済や統計処理を必要とする社会科学の分野においても重要な道具となる。
本書では,ベクトルや行列,連立1次方程式の簡単な計算力を身につけることを目標として,前半部分では,線形代数を理解するために必要となる高等学校で学習する内容から解説をすすめ,行列,ガウスの消去法,行列式,固有値,固有ベクトルなどといった概念を習熟できるようにする。また,後半では,線形代数がどのような分野で必要となるか,どのような技術に用いられているかを紹介する。
前半の各章の初めには確認問題を置いている。これは各章の最低限の学習目標である。目標を明確化することにより,読者のモチベーションを高めるよう工夫を凝らしている。また,練習問題を多数用意し,それらを解くことにより,より一層の理解を得ることができる。
第1章 ユークリッド空間
1.1 確認問題の解き方
1.2 数直線と1次元ユークリッド空間
1.3 平面と2次元ユークリッド空間
1.4 ユークリッド空間の定義
1.5 平面の直線
1.6 平行な直線
1.7 2直線が垂直に交わる条件
1.8 点の直線に対する対称移動
1.9 点の回転移動
1.10 点と直線の距離
1.11 練習問題
第2章 ベクトル
2.1 確認問題の解き方
2.2 平面ベクトル
2.3 n次元ベクトルの座標表現と大きさ
2.4 ベクトルのスカラー倍,和,差
2.5 ベクトルの内積と大きさ,正規化
2.6 ベクトルの線形独立性
2.7 練習問題
第3章 連立1次方程式
3.1 確認問題の解き方
3.2 連立1次方程式の解き方
3.3 連立1次方程式の応用例
3.4 連立1次方程式の解
3.5 練習問題
第4章 行列
4.1 確認問題の解き方
4.2 行列の例と定義
4.3 正方行列と行列の和,差,スカラー倍
4.4 行列積
4.5 単位行列と逆行列
4.6 行列の転置と対称行列,交代行列
4.7 練習問題
第5章 連立1次方程式2
5.1 確認問題の解き方
5.2 ガウスの消去法
5.3 階段行列
5.4 係数行列と拡大係数行列
5.5 行列の列の入れ替え
5.6 連立1次方程式の解の存在条件とランクの関連性
5.7 掃き出し法による逆行列の計算
5.8 練習問題
第6章 行列式
6.1 確認問題の解き方
6.2 3次までの正方行列の行列式
6.3 置換
6.4 n次の正方行列の行列式
6.5 行列式の性質
6.6 練習問題
第7章 固有値と固有ベクトル
7.1 確認問題の解き方
7.2 線形変換
7.3 固有値と固有ベクトル
7.4 固有値と固有ベクトルの性質とその応用
7.5 練習問題
第8章 線形空間とその応用
8.1 誤り訂正の理論
8.2 線形空間の性質
8.3 部分空間
8.4 線形独立と線形従属
8.5 基底と次元
8.6 部分空間の和集合
8.7 部分空間の和空間
8.8 共通部分
8.9 直和
8.10 直交補空間
8.11 符号理論への応用
第9章 行列計算の応用
9.1 ブロック行列
9.2 交代行列と対称行列の応用
9.3 推定のための計算
9.4 本章で扱えなかった内容
目次
ユークリッド空間
ベクトル
連立1次方程式
行列
行列式
固有値と固有ベクトル
線形空間とその応用
行列計算の応用
著者等紹介
松田健[マツダタケシ]
2010年東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻博士課程修了。現在、静岡理工科大学総合情報学部コンピュータシステム学科講師、博士(理学)。専門は情報数理学
菅沼義昇[スガヌマヨシノリ]
1972年名古屋大学大学院工学研究科修士課程修了。現在、静岡理工科大学総合情報学部コンピュータシステム学科教授、工学博士。専門は人工知能
幸谷智紀[コウヤトモノリ]
1997年日本大学大学院理工学研究科博士後期課程修了。現在、静岡理工科大学総合情報学部コンピュータシステム学科准教授、博士(理学)。専門は数値計算、コンピュータネットワーク
服部知美[ハットリサトミ]
2002年三重大学大学院工学研究科博士後期課程修了。現在、静岡理工科大学理工学部電気電子工学科講師、博士(工学)。専門はパワーエレクトロニクス
中田篤史[ナカタアツシ]
2013年愛知工業大学大学院博士後期課程修了。現在、静岡理工科大学理工学部電気電子工学科講師、博士(工学)。専門は電力・エネルギー制御、半導体電力変換、パワーデバイス応用(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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