出版社内容情報
不完全性定理をとりまく数学基礎論の世界
我々は何を知り得ないと知ったのか
本書は,専門的な予備知識は仮定せずに完全性定理や計算可能性から論じ,第一および第二不完全性定理,Rosser の定理,Hilbert のプログラム,Godel の加速定理,算術の超準モデル,Kolmogorov 複雑性などを紹介して,不完全性定理の数学的意義と,その根源にある哲学的問題を説く。
はじめに
数学基礎論と不完全性定理
宴のあと
本書の目標と構成
謝辞
第1章 序:物語の起源
1.1 数学の危機
1.2 三つの思想
1.3 「不安の時代」の終焉と不完全性定理
1.4 再思三考:数学と哲学
第2章 命題論理
2.1 命題論理の論理式と理論
2.2 真理値
2.3 命題結合子の論理的公理と推論規則
2.4 演繹定理と無矛盾性
2.5 命題論理の完全性定理
2.6 コンパクト性定理その他
第3章 述語論理
3.1 述語・関係・集合
3.2 述語論理の論理式と理論
3.3 構造
3.4 量化子と等号の論理的公理と推論規則
3.5 初等的同値と初等的図式
3.6 述語論理の完全性定理
3.7 コンパクト性定理その他
第4章 算術と集合論
4.1 自然数の集合の特徴付け
4.2 Peano 算術
4.3 算術の標準モデルと超準モデル
4.4 Zermelo-Fraenkel 集合論
4.5 集合による自然数の表現
4.6 Skolem の逆理
第5章 計算可能性
5.1 原始再帰的関数
5.2 再帰的関数とChurch-Turing の提唱
5.3 再帰的集合
5.4 再帰的可算集合
5.5 Godel 数と述語論理の算術化
5.6 万能Turing 機械と再帰定理
第6章 定義可能性と表現可能性
6.1 算術のΣ1 完全性
6.2 関数と集合の定義可能性
6.3 可証再帰性
6.4 集合の弱表現可能性
6.5 集合の表現可能性
6.6 関数の表現可能性
第7章 不完全性定理
7.1 不完全性定理への序
7.2 可証性述語と対角化定理
7.3 第一不完全性定理
7.4 可導性条件
7.5 第二不完全性定理
7.6 Rosser の定理
7.7 不完全性定理の数学的意義
第8章 幾つかの話題
8.1 Hilbert のプログラム
8.2 現実的な証明とGodel の加速定理
8.3 算術の超準モデル
8.4 可述的な自然数論と限定算術
8.5 整数・有理数・実数
8.6 Kolmogorov 複雑性
8.7 不完全性定理の有限的性質
第9章 跋:形式主義のふたつのドグマ
9.1 神聖な論理と世俗的な論理
9.2 経験主義者の亡霊
9.3 机の上の白い豆
9.4 隠れた次元
9.5 数学的無垢
9.6 金槌で板を切る
9.7 関係の代数学
9.8 ドグマなき形式主義
おわりに
数学としての数学基礎論の誕生
壮大な循環論法と小さな寓話
読書案内
参考文献
内容説明
専門的な予備知識は仮定せずに完全性定理や計算可能性から論じ、第一および第二不完全性定理、Rosserの定理、Hilbertのプログラム、G¨odelの加速定理、算術の超準モデル、Kolmogorov複雑性などを紹介して、不完全性定理の数学的意義と、その根源にある哲学的問題を説く。
目次
第1章 序:物語の起源
第2章 命題論理
第3章 述語論理
第4章 算術と集合論
第5章 計算可能性
第6章 定義可能性と表現可能性
第7章 不完全性定理
第8章 幾つかの話題
第9章 跋:形式主義のふたつのドグマ
著者等紹介
菊池誠[キクチマコト]
1991年東京工業大学理学部数学科卒業。1996年博士(理学)(東北大学)。現在、神戸大学大学院システム情報学研究科准教授。専門、数学基礎論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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