出版社内容情報
子どもが大人とのコミュニケーションを通じ,過去と現在をつなぐ意味の体系をどう構築するのか,言語の習得過程を追いながら探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shin_ash
3
越境する認知科学シリーズの記号創発ロボティクスからの流れで手に取った。信号から出発し記号過程を経て言語に至る流れをその学習過程を紐解くことで意味の体系がどこから立ち現れるかに迫る。ソシュールから出発しコミュニケーションを軸に記号と信号の整理をしつつ言語に踏み込んでいるので、信号?記号?言語?となるところがグラデーション的なイメージで体系的に理解できる。意味という捉え所のない対象への理解を上手く説明している様に思う。一般に言う“コミュ力”の様なペラい話ではないところが安心して読める。大変読み応えがあった。2021/06/05
Go Extreme
2
言語の特殊性 認知科学と言語習得 言語とは何か: 言語の意味 記号と言語 有縁的記号と恣意的記号 概念とは何か 意味の普遍性と個別性 信号から記号へ 環境から見出す意味: コミュニケーションにおける信号 動物・人間の信号コミュニケーション 象徴の発生: 身体論とシミュレーション 直接知覚が形成する記号の基盤 記号接地問題:マッピングとピックアップ 象徴から記号へ 記号から言語へ:文化から見出す意味: 共有基盤の構築 言語的意味へ 意味の体系: インプットの量と質 意味体系の構築と社会化 文化的思考様式2021/07/30